5月2日、井手よしひろ県議は常磐道上り線守谷サービスエリア(SA)を視察しました。守谷SAは、今年3月全面的にリニューアルされ、人気グルメやスイーツなどが楽しめる「Pasar(パサール)守谷」として生まれ変わりました。既存の商業施設を全面改修し、災害時にはレイアウトを変更して災害対策室とするなど、SAとしては全国初となる防災拠点としての機能を備えています。
リニューアルした守谷SAは、大規模災害時は自衛隊や消防などの関係機関が共同使用して災害対策室として運用されます。東日本大震災で高速道路のSAが被災地へ向かう救援部隊の前線基地として活用されたことを踏まえてスタートした新たな取り組みです。
被災時にはフードコートのレイアウトを全面的に変更。中央に配置されたテーブルをはずし、フロアを拡大させることができます。通常は渋滞情報などを表示するモニタは、災害情報などを映し出すことができます。モニタの正面が災害対策本部となることを想定しています。
災害時の燃料確保対策も施されています。併設されているガソリンスタンドの燃料貯蔵量を、90kLから110kLに増設。停電に備え、屋上の太陽光発電システムや、3日間(72時間)連続使用可能な自家発電装置も備えました。
断水時の備えとし井戸も設置しました。現在、井戸水はトイレ洗浄用に使用されていますが、今後はろ過装置を整備し、飲料水としても活用できるよう計画されています。
また、中型ヘリコプターが離着陸できるヘリポートも整備されました。ヘリコプター事務室を兼ね備えた防災倉庫には、備蓄品や救護用品が備えられています。
常磐道上り線の守谷SAは、都心に最も近いサービスエリアです。首都直下型地震が発生した際は、都心を中心に甚大な被害が想定されています。ネクスコ東日本は、守谷のような位置に防災拠点を迅速に設置し、震災対策の前線基地としての役割を果たしていくことを目指しています。
道ナカ商業施設として21店舗が入居。高速利用者以外も利用可能
このパサール守谷は防災拠点であると共に、茨城県初の「道ナカ商業施設」として整備されました。「恵みの森」をイメージしたデザインとされ、館内各所に木材を使用。「旅の思い出があふれる、賑わいの場」の創出を目指しました。
ネクスコ東日本の商業施設としては5店舗目となります。レストランやフードコート、カフェ、ベーカリー、ショッピングコーナーには、地元の食材などを積極的に利用した21店舗が入居しています。
フードコートには高速道路初出店となるステーキ専門店「クックバーン」、鉄板焼きグルメ「ぼてぢゅう屋台」、「東池袋大勝軒」の創業者である山岸一雄氏監修によるラーメン店「茨城大勝軒」の3店のほか、純鶏名古屋コーチンを使った親子丼店「鶏三和」、市場の食堂をイメージした「茨城もりの市場食堂」、茨城県産小麦を使ったうどん・そば店「天常庵」が出店しています。レストランではイタリアンとフレンチが融合した“イタフレ”グリル料理を提供する「フォレストグリル」が店を構えました。
ベーカリーには地元の素材を使った「守谷ベーカリー」が初出店し、人気を集めています。コンビニはローソンが出店し、24時間営業を行っています。別棟には守谷市の野菜生産者が運営するという生鮮野菜直売所「守谷SAやさい村」が設置されました。
守谷SAの外側にも駐車場が整備され、高速道路外からの買い物客にもパサール守谷の物販施設は親しまれています。