2月19日、金砂食品の永田由紀夫社長をはじめ県納豆商工業協同組合の関係者、県の食のアドバイザー・藤原浩さんらが、県が開発したネバネバが少ない納豆「豆乃香」について、フランスの見本市での好評ぶりを、橋本昌知事に凱旋報告しました。
今回出品した「シラ国際外食産業見本市2015」では、トータルで119件の引き合いがあり、現地の食品メーカーとの具体的な価格交渉など5件の商談が進んでいることが報告されました。
藤原さんが「フランスでは日本の健康食品が人気で、血液をサラサラにする納豆も注目度が高かった。最初は豆乃香から入ってもらい、のちのちは糸が引く納豆も日常的に食べてもらうようにする」と、今後の具体的な戦力を知事に説明しました。
イタリアンレストラン・ハタケ青山の神保佳永シェフの発案による豆乃香を混ぜ込んだ発酵バターなどを試食した橋本知事は、「ワインと良く合う。納豆の臭いが苦手な人でも食べやすい」と話しました。
知事への表敬を終えた一行は県庁記者クラブを訪ね、マスコミ関係者の取材を受けると共に、「豆乃香」の試食を行いました。
一方、2月21日付けの朝日新聞のコラム「天声人語」では、この「豆乃香」が紹介されました。
▼今度は、混ぜてもポロリと箸から落ちる納豆の登場だ。粘り成分は通常より25%少なく、混ぜる時の抵抗は3分の1程度という。国内の消費が細る中、「水戸納豆」で知られる茨城県が県内の企業と組んでフランスへ売り込んだ▼豆を煮込む伝統料理「カスレ」に使ったり、ペースト状にしてパンにのせたり。先月、リヨンであった見本市に出品して提案したところ、関心を持たれたそうだ。美食自慢の国に受け入れられるか、楽しみである▼糸引きの弱い納豆とは何か頼りない感じもするが、和食を世界に発信する挑戦の一つとして頼もしくもある。「納豆ぉ~」と呼ぶ声が響いてくる。(天声人語:納豆をフランスへ)