Skip to content
ひたみち日記

ひたみち日記

井手よしひろが茨城県日立市からローカルな情報を発信中

Primary Menu
  •  ホーム
  • ご挨拶
  • プロフィール
  • 投稿一覧
  • facebook
  • X.com
  • youtube
  • 地創研
  • ご感想・ご意見
動画配信
  • 防災

“モバイルハウス”は、災害仮設住宅の新たなスタンダードとなるか?

管理者 2018年8月9日

スマートモドューロ
 8月7日、8日の両日、井手よしひろ県議は岡山県倉敷市を訪れ、西日本豪雨災害の被災状況を調査しました。特に、今回初めて建設型仮設住宅として認められた、モバイルハウス「スマートモデューロ」について、開発したアーキビジョン21の丹野正則社長より説明を受け、実際にモデルハウスとして公開される予定の住宅内も視察せていただきました。
 この「スマートモデューロ」は、一般的なトレーラーハウスと同じと誤って認識されているようです。自由に移動できるのは魅力だけど、夏は暑く、冬は寒そう。内部も狭く、仮設住宅としての居住性が確保できていないのではないか、といった先入観を持たれているようです。すでに、倉敷市では被災した住民から建設仮設住宅の入居希望をとっていますが、約50戸提供されるモバイルハウスは、立地の不便さもあり希望倍率も一番低いとのことです。

 モバイルハウスの仮設住宅として活用することのメリットは、何よりも短時間に設置でき、被災した住民にいち早く生活再建の拠点を提供できるということです。その上、設置費用もいわゆるプレハブ住宅や木造仮設住宅よりも廉価であり、撤去費用が掛からないという点や、繰り返しの利用が可能ということを考えるとコストパフォーマンスは非常に高くなります。

 さらにその居住性も魅力です。「スマートモデューロ」は、海上コンテナと同規格なので、トレーラーに乗せてどこにでも運ぶことができます。しかし、設置場所に着くとクレーンで基礎の上に降ろされ、一般の住宅と同じように建てられます。車輪のついた家ではありません。トレーラーハウスの枠を超えた、新しい発想の「移動できる家」なのです。


仮設住宅の敷地
 本体は北海道の工場で生産されています。厳しい自然環境でも快適に暮らせる家を30年以上つくり続けてきたノウハウを活かして、夏の暑さも冬の寒さも気にしなくていい、快適な住空間ができあがります。
 土地を確保して、基礎工事をした上にユニット(スマートモデューロの本体)を施工します。基礎の上にユニットをクレーンで移動させ、給排水管などの連結を行うだけなので外観は1日で完成します。土地と給排水、電気が確保できれば、発災から約1カ月以内で入居が可能です。
 ひとつのユニットのサイズは幅2.4m、長さ12m、高さ2.89m。延床面積は28.80m2。住宅としては小さなサイズですが、空間を効率的に使うことで、寝室とダイニングキッチン、トイレ、シャワー室、洗面室を確保することができます。

 8月8日、実際に仮設住宅敷地に搬入されたモデル棟を視察してみましたが、外観の印象よりも、中は広々としていて、非常に機能的でした。
 モデルハウスは2人向け。寝室にはベットが2台が並べられ、エアコンが設置されています。スマートモデューロは機密性が高く、この小型のエアコンを常時使用することで、快適な空間を生みます。今年のような酷暑の夏に、常時エアコンを稼働させても電気代はさほど気になる金額ではないとのことです。

ベットルーム

 リビングダイニングには、大きなシンクのシステムキッチンが組み込まれ、IHクッキングヒーターが導入されています。
リビング・キッチン

 開口部(窓)は、特殊な気体を封印した3重ガラス構造。大きく回転する窓は開放的な空間を演出しています。
3重ガラスの窓

 水回りは、洗濯機スペース、バスタブがあるシャワールーム、シャワーレット仕様の水洗トイレ、そして洗面台、大型の給湯器がコンパクトに収まっています。この水回りはスライドドアによって区切られていますので、プライバシーも守られます。
トイレとお風呂

 今までの仮設住宅のイメージを大きく変える、被災者のQOLを最大限に高めることができる仕様です。 
 そもそも「スマートモデューロ」開発のきっかけは東日本大震災でした。2011年5月上旬、アーキビジョン21の住宅商品で移動可能なユニット住宅「モデューロ」6棟を宮城県の被災地に移設したところ、一日で設置が完了し、上下水道と電気の接続が終われば、その日から生活ができる住宅は被災者の方々に非常に喜ばれました。
スマートモデューロの生産工場

 丹野社長は開発の動機を「被災地で使われている仮設住宅は使い捨て。建設費や補修費、解体費、廃棄処分費などで多くのコストがかかります。それなのに住み心地は決して良くありません。『モデューロ』なら高気密・高断熱で快適なうえに、再利用も可能。ただ、工期に2カ月程度かかること、輸送費がかかることがネックでした。そこで試行錯誤を繰り返し、工期が短く、コストも既存の仮設住宅より安く、トレーラーハウスとして輸送もしやすい『スマートモデューロ』を開発したのです」と、語ってくれました。
 井手県議は、入居者の希望によって、畳仕様の部屋とかもっと大きなバスタブとか、様々な改良を加えて欲しいと要望しました。このスマートモデューロが、建設型仮設住宅として認められたことで、日本の自然災害への対応は大きな一歩を記したと評価できます。

印刷する 🖨
閲覧数 70

Continue Reading

Previous: 2018年8月8日(水) 晴れのち雨
Next: 2018年8月9日(木) 雨

Related Stories

251025kitaibaraki_dig010
  • 福祉・医療・介護
  • 防災

“避難行動要支援者”の個別避難計画の作成状況について

管理者 2025年10月25日
251025image
  • 防災

“要配慮者”と“要支援者”、ことばの意味を改めて確認する

管理者 2025年10月23日
251004top
  • 防災

茨城県地域防災計画に「防災士」「防災士会」を明確に位置づけを

管理者 2025年10月5日



井手よしひろです。 茨城県の県政情報、 地元のローカルな話題を 発信しています。 6期24年にわたり 茨城県議会議員を務めました。
一般社団法人地方創生戦略研究所
https://y-ide.com
master@y-ide.com

2025年11月
月 火 水 木 金 土 日
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
« 10月    

最近の投稿

  • 人類の未来を見失わないために――ラッセル=アインシュタイン宣言の今日的意義
  • 戦後最大のエネルギー税制改革へ/2025年末でガソリン暫定税率廃止
  • 日米同盟の“象徴”にしては軽率すぎる――トランプ氏の“ノーベル平和賞”推薦が残す疑問
  • “避難行動要支援者”の個別避難計画の作成状況について
  • “要配慮者”と“要支援者”、ことばの意味を改めて確認する

アーカイブ

カテゴリー

  • 【CHALLENGE IBARAKI】#77 みんなに知ってほしい!茨城県民の歌
    2025年10月31日
  • 茨城県の取組「ここがすごい!」(第2次茨城県総合計画~主要指標等実績一覧~)
    2025年10月31日
  • 知事定例記者会見(令和7年10月28日)
    2025年10月28日
  • 野鳥における高病原性鳥インフルエンザについて
    2025年10月21日
  • 県民の皆様から寄せられたご意見に対する現状・対応について
    2025年10月17日
  • 防疫徹底、まん延防げ
  • 女性の健康守る政治を
  • 電子版番組「fine」最新回が公開中
  • 【主張】あすから本紙拡大期間 中道改革勢力の軸担う“武器”に
  • コラム「北斗七星」
このホームページ(Blog)へのリンクは自由に行ってください。
文章の引用等も自由です。
ただし、リンクや引用等によって生じた不利益に対して、管理者はその責任を負いかねますので、ご容赦ください。
Copyright © All rights reserved. | MoreNews by AF themes.