8月18日、厚生労働省の専門家会議で、新型コロナワクチンを2回接種した人の感染は、接種していない人に比べて5.9%(17分の1)と大幅に少なくなっていることが報告されました。
厚労省は、8月10日から12日の3日間に報告された全国の感染者5万7293人のワクチンの接種歴を分析しました。
その結果、感染した人の82%にあたる4万7132人が1回もワクチンを接種していませんでした。
人口10万当たりで新規感染者数を比べると、▽ワクチンを接種していない人は67.6人▶1回目のみ接種していた人は22.7人▶2回接種した人は4.0人で、2回接種した人は接種していない人に比べて5.9%(17分の1)になっていました。
また、年代別にみてみますと人口10万当たりの新規感染者数は、65歳未満では▶接種していない人で69.7人▶2回接種した人では7.4人。65歳以上では▶接種していない人で31.1人▶2回接種した人では2.3人となっていました。
※第48回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード資料(2021年8月18日)
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000820150.pdf
新型コロナ・ワクチンに期待される効果には、①感染そのものを防ぐ「感染予防の効果」、②感染しても症状が出るのを抑える「発症予防の効果」、③症状が出ても重症にならないようにする「重症化予防の効果」、そして、④多くの人がウイルスへの抗体を持つことで社会全体が守られる「集団免疫の効果」があるとされています。
今回の厚労省の調査結果は、明らかに①感染そのものを防ぐ「感染予防の効果」、または②感染しても症状が出るのを抑える「発症予防の効果」を裏付ける内容となっています。
調査期間が8月10日から12日であることを考慮すると、変異株(デルタ株)への感染予防効果も充分にあることを物語っています。
と同時に、2回接種しても10万人あたり4人の感染、いわゆるブレークスルー感染があることも具体的に証明されました。デルタ株蔓延の中で、2回のワクチン接種が完了しても、不織布のマスク着用、手指の洗浄、三密の回避などを徹底する必要があります。