10月7日、衆議院選挙に向け公明党は、新型コロナウイルスの影響の長期化を踏まえ、18歳までの子どもを対象に、1人当たり一律10万円相当の支援「未来応援給付」を行うことなどを盛り込んだ公約を発表しました。
また、経済の立て直しに向けて、感染の収束を前提に、観光や飲食などの消費を喚起する「新・GO TOキャンペーン」を実施するとしています。
さらに、マイナンバーカードの普及を進めるため、キャッシュレス決済で使える数万円程度のポイントを一律で付与することも公約に掲げました。
一方、政治とカネの問題にケジメをつけるため、刑事責任を問われた国会議員の歳費について、支給を停止したり、返納できるようにしたりする法改正の実現も盛り込みました。
憲法改正をめぐっては、制定時に想定されなかった価値観を反映させる「加憲」で対応すべきだとする一方、災害時に国会機能を維持するため、オンラインの審議を可能にする制度を検討するとしています。
山口代表は「公明党は危機を克服し、希望と安心の社会を築くための具体策を、新たな挑戦として、国民の皆さまに提示していきたい」と強調しました。さらに、「衆院選では長引くコロナ禍の影響から引き続き国民生活を守り、未曽有の国難をどのように乗り越え、力強い日本の再生を成し遂げることができるかが問われている」と力説しました。
公明党の衆院選マニフェストは重点政策と政策集で構成されています。
重点政策の柱は、①感染症に強い日本へ、②ポストコロナへ経済と生活の再生を、③子育て・教育を国家戦略に、④つながり支えあう社会へ、⑤安全・安心の「防災大国」へ、⑥「政治とカネ」問題にケジメを――の6項目です。
■子育て・教育
子育て・教育については、国家戦略に据えて取り組むと明記。目玉政策として、0歳から高校3年生までの全ての子どもたちに「未来応援給付」(1人一律10万円相当)の実施を掲げました。そのほかの政策として、結婚から妊娠・出産、幼児教育から大学など高等教育までの支援を段階的に拡充する「子育て応援トータルプラン」の策定も打ち出し、その一環として出産育児一時金の50万円への増額や、0~2歳児の産後ケアや家事・育児サービスなどを充実させるとしました。
■感染症対策
感染症対策では、コロナワクチン接種について、感染状況も踏まえて来年も無料で実施。国産ワクチンや飲み薬の開発・実用化を促進していきます。新たな危機管理体制の確立へ、感染症対策を担う司令塔のもと医療提供体制の再構築などの方針も示しました。PCR検査体制の抜本的な拡充も行います。
■経済再生
経済再生に向けては、デジタル社会の基盤となるマイナンバーカードの普及を進めると同時に消費を喚起する施策として、1人一律数万円相当を付与する新たなマイナポイント事業を提案しました。ワクチン接種が進んだ後の感染収束を前提に、安全安心な「新・Go Toキャンペーン」(仮称)を実施します。グリーンやデジタルを柱に経済成長、雇用・所得の拡大を図るとしています。
■支えあう社会
つながり支えあう社会では、社会的孤立防止へ、世代や属性を問わず、包括的に支援する「重層的支援体制整備事業」を全自治体で実施することや、SNSを活用した自殺防止など24時間相談体制の充実のほか、高齢者らのデジタル活用支援や移動支援を盛り込んみました。
■防災・減災/「流域治水」を強力に推進
防災・減災については、激甚化する災害から国民の命と暮らしを守り抜くため、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」に盛り込まれた、流域全体で水害を軽減する「流域治水」や、インフラ老朽化対策などを加速します。
■政治とカネ/当選無効議員は歳費返納
「政治とカネ」を巡る問題では、当選無効となった議員の歳費返納などを義務付ける法改正の速やかな実現をめざします。また、コロナ禍で苦悩する国民に寄り添うため、公明党がいち早く提案して実現した議員歳費の2割削減について、コロナが収束するまでの間、継続して実施します。
一方、政策集には、ポストコロナの成長戦略や人生100年時代を見据えた安心の社会保障、安定した平和と繁栄の対外関係など九つの柱と、憲法について党の考え方を明記した。全文は党公式ホームページに掲載される予定です。