現在、教育基本法の見直しは、与党において協議会が設置され、精力的に議論が行われています。一部に、早急の改正を求める声もありますが、これは慎重の上にも慎重に議論していくべき課題だと思います。
教育基本法の基本理念は、非常に優れていると思います。しかし、今日の教育の諸課題が多様化していることを踏まえ、現行法の基本理念は堅持しつつ、教育基本法を補完、補強するため、その見直しの検討は必要です。
具体的には、「生命の重視」「生涯学習」といった理念や「学校・家庭・地域の連携」「教育振興基本計画の策定」などを新たに盛り込むべきと考えます。
愛国心については、そのものを否定するものではありませんが、愛国心を法律で規定することは非常にデリケートな問題であり、戦前の教育の反省を踏まえ、殊更に慎重な検討が必要です。
国の成り立ち三要素は、領土と国民と統治機関であるとされています。領土や国民を愛し慈しむ心は自然なものであり、その心を育む事は教育の大きな目的であると思います。
しかし、その時その時の統治機構に対して敬愛を一方的に求めることは、教育の場にそぐわないと考えます。