介護保険総点検を受け、介護保険の充実を提言
公明党は、3000人超の議員のネットワークを十分に生かし、昨年(2009年)11月から“チーム3000”として「介護総点検」を全国各地で展開してきました。
介護保険総点検は、65歳以上の高齢者人口が3600万人(高齢化率30%)を超える2025年を見据え、各議員が介護現場の生の声を聞くことで、新たな政策の立案に向けて実施されてきました。
公明党は1月8日、同総点検の調査結果(速報値)とともに、高齢者が「安心して老後を暮らせる社会」の実現をめざした提言を発表しました。
提言ではまず、介護3施設(特別養護老人ホーム、老人保健施設、介護療養型医療施設)の倍増と、有料老人ホームなどの特定施設、グループホームの3倍増を提唱。山口那津男代表は「2025年までに介護施設の待機者解消をめざす」と、国民の切実な願いに応える決意を語っています。
さらに、(1)24時間365日訪問介護サービスの大幅拡充(2)介護保険制度の事務手続きの簡素化、要介護認定審査の簡略化ですぐに使える制度への転換(3)介護従事者の大幅給与アップ(4)介護保険料上昇の抑制のための公費負担引き上げ――が提言の柱になっています。
一方、同総点検の集計結果について、街角アンケートで「介護を受けたい場所は」との問いに対して「入所系の介護施設」が45・8%、「自宅」が42・3%と、ともに高率でした。
施設と在宅がほぼ同数だったことについて、斉藤鉄夫政務調査会長は「高齢者にも入所施設への期待が高く、抵抗感なく受け入れられているという意識の表れだ」と分析。介護施設の充実が喫緊の課題であることが浮き彫りになりました。
一方、要介護認定者・家族を対象にした調査では「自宅介護を行う家族の負担軽減」、介護事業者調査では「公費負担の増額」を求める声が強かった。特に介護従事者は、7割の人が介護の仕事を続けたいと望んでいるが、8割が「収入が低い」「心身の負担が大きい」と感じ、離職者が多いのは大問題です。
介護報酬については、公明党の推進で昨年4月から3%アップし、10月には介護職員処遇改善交付金が創設されていますが、公明党はさらに、介護報酬の大幅アップをめざします。
介護保険制度の抜本的な基盤整備に取り組む
(公明党山口那津男代表の記者会見での配付資料)
●高齢者の方が、1.住み慣れた地域で必要に応じた介護サービスを自由に選択・利用でき、2.医療と介護と福祉が連携して質の高いサービス提供を行い、3.家族への負担が過大にならない――「安心して老後を暮らせる社会」の実現を目指す。
●「団塊の世代」が65歳以上の高齢化のピークを迎える2025年に向け、2012年の制度改正では、抜本的な制度設計の見直しが必要と考える。
●具体的には、介護施設の大幅な拡充や、規制緩和による着実な基盤整備、国の公費負担割合の引き上げ、利用者負担の引き下げ等への見直しに取り組まなければならない。ケア付き高齢者専用住宅の整備も求められている。
■2025年までに“介護施設の待機者解消”を目指す!
介護3施設を倍増!特定施設、グループホームを3倍増に!
※介護3施設:特別養護老人ホーム、老人保健施設、介護療養型医療施設 ※特定施設:有料老人ホーム、ケアハウスなど
■在宅介護の支援強化も急がれている!
24時間365日訪問介護サービスの大幅な拡充で、在宅支援の強化を目指す!
■介護保険制度の抜本的な基盤整備!
煩雑な事務処理の仕分けを行い、手続きの簡素化、要介護認定審査の簡略化で、すぐに使える制度に転換する!
介護従事者の大幅給与アップなどの待遇改善につながる介護報酬の引き上げを行う
介護保険料の上限は高くなりすぎないように抑制すべき!公費負担割合を5割から、当面6割に引き上げ、2025年には介護保険の3分の2を公費負担でまかなう
※1号保険料は現在4160円(月額・全国平均)。このままいけば2025年に6300円を超えると見られている