この夏(8月25日~29日)、日立市の河原子北浜海岸で開かれる「第45回全日本サーフィン選手権大会」が、読売新聞(茨城県版)で大きく報道されました。内容は、この大会を中心となって誘致してきた井上康則さんら日立サーフィン連盟(HSA)の活動が紹介されています。
来るか人気の大波、日立でサーフィン全国大会
読売新聞(2010/5/9)
日立市の河原子北浜海岸は、波を楽しむサーファーが絶えない県内有数のスポット 日立市の河原子北浜海岸で8月、第45回全日本サーフィン選手権大会が開催される。アマチュアサーファー国内最高峰の大会とされ、約1万500人が参加する全国各地の予選を勝ち上がった約850人が、チャンピオンの座をかけて板さばきを競う。
同市での全日本選手権開催は1972年以来、38年ぶり2回目。日本サーフィン連盟が主催し、文部科学省、海上保安庁などが後援する。年齢別・カテゴリー別に小学生から60歳代までが出場し、8月25日から29日まで開かれる。
同海岸入り口で「水木サーフショップ」を経営する日立サーフィン連盟(HSA)の井上康則代表(45)によると、同海岸は、砂浜でサーフィンに最適の波ができる「ビーチブレイク」を満喫できる県を代表するサーフスポット。波が筒状になる「チューブ」も楽しめ、1年を通して県内外のサーファーを引きつけている。
「地域資源の海を使って街を盛り上げよう」と、HSAは海水浴客のライフガード活動や年4回のビーチ清掃を続けながら、5年前から大会の誘致活動を本格的に展開。HSAの要望を受けた日立市も2007年、同海岸に駐車場やトイレ、シャワーを備えたスポーツ広場を整備し、全国大会受け入れの環境を整えてきた。
全国的な海岸の護岸工事や消波ブロックの設置などでサーフスポットは減少している反面でサーファー人口は増えており、全日本選手権大会は同海岸の魅力を全国に伝える絶好の機会。
大会期間中は、サーファーと大会の関係者を含め約2000人が訪れると見込まれ、井上代表は「ルールとマナーを保った美しい海岸で、海の素晴らしさとサーフィンの面白さを一般の人にも身近に感じてもらいたい」としている。
問い合わせは水木サーフショップ(0294・36・5339)。
全国大会が、河原子北浜海岸で開催されるまでには、地元の若者の献身的な努力と、樫村千秋日立市長ら行政の強力なバックアップがありました。
話しは平成15年まで7年間さかのぼります。平成15年2月にスケートボードやBMX、インラインスケートなどの愛好家が、市内に安心してアクションスポーツを楽しめる公園の整備を、6093名の署名を添えて要望しました。時を同じくして、平成15年2月27日には、日立サーフィン連盟(会長:井上凡時さん、会員数220名)は、市長に対して、「日立市河原子北浜駐車場の整備に対する要望書」を提出し、茨城を代表するサーフスポットである河原子海岸北浜に、駐車場や更衣室、シャワーなどの施設整備を求めました。
こうした動きが功を奏し、若者からお年寄りまで楽しめる拠点として、河原子北浜スポーツ広場の構想がまとまりました。
河原子北浜スポーツ広場は平成17年に着工、平成19年秋に完成しました。(ここまでの詳細は「河原子北浜広場、夏までに着工し19年に完成予定」をご参照下さい)
平成19年の早春、サーフィンをキーワードとする街おこしを実践するために、井上代表らは井手よしひろ県議と供に、福島県の南相馬市を訪れました。ここで、福島大学の奥本英樹助教授が提唱する「サーフツーリズム」構想を学ぶとともに、同構想を推進する「NPOハッピーアイランドサーフツーリズム」(故杉山大一郎理事長:訪問時役職)から様々なアドバイスをいただきました。(「サーフィンによる街おこしを南相馬市で視察」を参照)
こうした経緯を経て、井手県議は平成19年3月4日、『ひたちサーフツーリズム構想』(海岸資源を活用した新たな地域活性化プランの提案)を日立市に提出しました。
その後、河原子北浜スポーツ広場がオープンした平成19年夏からは、毎年、日立青年会議所や地元観光協会が中心となって、様々なイベントが開催されてきました。
そして、井上代表らの尽力により、平成21年には「全日本ジュニアサーフィン選手権」の誘致が実現。全日本選手権開催に向けての準備を進めてきました。
今年春からは、選手権大会の準備もかねて、海岸の堤防の改修も始まっています。