3月5日の県議会代表質問で、公明党高崎進県議は、県生涯学習センターの再編について、小野寺教育長に今後の方針を質しました。(写真は、高崎県議の質問に答える小野寺教育長)
茨城県は他県にない特色として、地域に根ざした5つの生涯学習センターが設置されています。しかし、様々な理由から5つの生涯学習センターを水戸に集約し、県の直轄での運営にすることが検討されています。
この議論が表面化したのは、一昨年12月の県議会文教治安委員会での議論でした。井手よしひろ県議ら公明党は、地域の活性化のために5つの生涯学習センターが果たしている重要な役割を認識した上で、現時点での再編に絶対反対の姿勢を明らかにし、当時の生涯学習課長に「開かれた場所で、慎重に検討するよう」強く申し入れをしました。その結果、拙速な議論で決論を出すことはしないとの回答を得ました。
しかし、その後の検討の動きも、決して開かれた議論となっていないのは大変残念です。
今回の高崎県議の代表質問は、再編議論の途中経過を県民に示す重要な意味があったと思います。
高崎県議の質問に答えて、小野寺教育長は以下のようなポイントで、再編問題の経過を説明しました。
- この20年間で、市町村、大学、カルチャーセンターなどによって趣味、教養等の「個人の要望」による生涯学習の機会は著しく充実した。
- 国によって「個人の要望」と「社会の要請」のバランスの重要性が示され、生涯学習のあり方やそれに携わる自治体、各事業セクターの役割わりは変わってきた。
- こうした状況の変化の中、県は平成23年度「生涯学習推進検討員会」を設置して、生涯学習の推進や体制の在り方を検討してきた。
- この議論を踏まえ、今後の県の役割としては、従来の県民への直接サービスから、市町村や公民館等の支援や、大学、NPO、民間教育業者、市町村等と連携したネットワーク型の事業展開を図るとともに、「新しい公共」を担う人材を育成する学習プログラムの開発等を進めていく。
- こうした新たな事業を行うために、最終的には県内5つの生涯学習センターを水戸生涯学習センターに集約する。
- 生涯学習センターの再編については、事業の進捗状況や各地域の特性を踏まえた学習環境の整備状況等を適切に評価していく必要があることから、時間をかけて丁寧に議論を重ね、より良い生涯学習の推進体制を構築していく。
水戸生涯学習センターへの機能集約が謳われていますが、水戸生涯学習センター自体、震災によって大きな被害を受け、その具体的な再建計画すら出来ていません。教育長の言う所の「時間をかけて」という言葉が示す、時間とは1年とか2年という短い期間を示すものではないは明らかです。個人的には十年単位の時間を要すると思っています。さらなる高齢化や県内の南北格差が指摘される中で、県一本の生涯学習推進体制が時代のニーズに合っているとは考えられません。市町村がその受皿になるとも思えません。
生涯学習センターの再編の動きは、予算の圧縮という本音が見え隠れしてしまうのは、私だけでしょうか?