8月27日茨城県の大井川和彦知事は、宇宙ベンチャーの創出・誘致と県内企業の新規参入を目指し、「いばらき宇宙ビジネス創造拠点プロジェクト」に乗り出すと、東京都内で記者会見し発表しました。国や宇宙航空研究開発機構(JAXA)と連携し、ベンチャーと投資家のマッチングの場づくりや専門家による相談窓口の設置、手厚い資金援助などを行います。宇宙産業に特化した自治体のベンチャー支援は全国初の試みです。筑波研究学園都市が立地する本県の強みを生かし、「自動車産業を超える裾野の広い成長産業」と期待される宇宙ビジネスで、県内に関連企業の集積を目指します。
宇宙産業はロボットやAI(人工知能)に続く成長分野として、米国など世界各国でしのぎを削る動きが出始め、内閣府宇宙政策委員会は昨年5月の「宇宙産業ビジョン2030」で、宇宙産業全体の市場規模を現在の約1兆2000億円から2030年代早期に倍増を目指すと意気込んでいます。
27日のプレゼンテーションで、大井川知事は「宇宙ビジネスはリスクが高いと言われるが、ビジネスフロンティア。つくばの科学技術の集積や、首都圏に近い茨城県の立地条件を活かし、本県が宇宙ビジネスの創造拠点となるべく、内閣府や経産省、JAXAとも連携し、スピード感を持って宇宙ビジネスを本気で支援する」と熱く語りました。
JAXAのほか、約30の国の研究機関と2万人を超える研究者を抱えるつくば市内でも、小型衛星開発のワープスペースや衛星データ解析のビジョンテックなど、宇宙ベンチャーの起業の動きが出ています。
県は「宇宙産業が夢から現実にシフトしてきた」とみて、筑波研究学園都市の強みを生かした同プロジェクトを立ち上げ、7570万円を本年度9月補正予算案に盛り込みました。