NHKでは、今年10月より全国に先駆けて、茨城県内で地上波デジタル放送を開始します。
これまで茨城は、全国47都道府県で唯一、地元テレビ局もNHKの県域放送もない「テレビ過疎県」でした。県域デジタル放送では、平日の県内ニュースや情報番組の放映時間が、現在の十数分から2時間40分程度に拡大されます。美術館などのイベント情報や休日当番医などを画面で見られるデータ放送も始まる予定です。
県域放送では、県や市町村のお知らせも放映する。県情報政策課では、県域デジタル放送用の素材データをNHKに送信するために、県と各市町村が整備した高速の情報通信網「いばらきブロードバンドネットワーク」(IBBN)を使うことを決め、県庁舎内にデジタル放送用スタジオを予算化しています。
水戸放送局によると、10月から県域放送が見られるのは、県内約99万世帯のうち、水戸送信所から直接受信できる約33万世帯と、日立、十王、山方の中継所から受信できる世帯を合わせた約40万世帯。さらに、土浦などのケーブルテレビ数社を通じて見られる世帯が約12万世帯。合計で52万世帯が視聴できます。
県域放送で放送される番組は、平日は朝、昼、夜の全国ニュースの後に5~15分程度、県内ニュースを流すほか、午前に30分、夕方約2時間の県内情報番組を予定しています。ゲストを招いた公開生放送や、ハイビジョンのワイヤレスカメラが出張する出前中継などが計画されています。午後5時10分からの番組のメーンキャスターには、3月まで「スタジオパークからこんにちは」を担当していた小田切千アナウンサーを迎えます。
定時番組の他に検討しているのは、鹿島アントラーズや水戸ホーリーホックのサッカーの実況放送、全国高校野球の地方大会放映など。月1回程度の特集番組でも県内の問題を取り上げる計画です。
<リンク>NHK水戸放送局