茨城県環境保全事業団(理事長・角田芳夫副知事)が、笠間市福田で進める廃棄物公共処分場「エコフロンティアかさま」の建設問題で、建設に反対する住民らが起こした建設中止の仮処分に対し、6月21日、水戸地裁は住民らの申したてを却下しました。
エコフロンティアかさまは、公共の産業廃物の最終処分場と笠間市内の一般ゴミなどを焼却処理をするガス化溶融施設から構成されています。受け入れる廃棄物は、①ガラス・陶磁器くず、燃えがら、無機性汚泥などの不燃物、②廃プラスチック、木くず、ゴムくずなどの可燃物、③医療系廃棄物、④笠間市内から発生する可燃ごみと不燃ごみです。
このうち,最終処分場に埋め立てる廃棄物は,ガラス・陶磁器くず,燃えがらや溶融処理施設でつくられるスラグなどの無機物に限定されます。廃プラスチックなどの可燃物や汚染土壌などは溶融処理施設で減容・無害化します。発生したスラグは埋め立て材に使用します。
医療系廃棄物は事業者から排出されるときには既に専用容器に詰められていますので、そのまま溶融処理施設へ投入し無害化します。
2002年10月に着工し、2005年6月に完成する予定です。
建設に反対する住民ら約320人が2002年11月、「地下水を汚染して被害が及ぶ可能性がある」などとして建設差し止めの仮処分を申し立てていました。
最大の争点である「湧水」の有無に関して、反対派は「豊富なわき水のある場所に立地し、地下水から井戸が汚染される危険性がある」と主張しました。事業団側は「わき水は供給されておらず、問題はない」と反論しました。水戸地裁は、事業団の調査結果などから「豊富なわき水・地下水があると認められない」と判断。建設についても「適切な維持管理がなされ、生命や健康を害される危険性は認められない」と、原告側の主張を退けました。
エコフロンティアかさまは、「噂の東京マガジン」などのテレビ番組でも度々取り上げられました。採石場跡地に雨水がたまった池は、「ふじみ湖」と大々的に紹介されました。
(写真は、建設工事が進むエコフロンティアかさまの模様。2003/1/10撮影)
<リンク>エコフロンティアかさま
<リンク>ふじみ湖原告団のHP