asahi.com(2005/2/22 21:32)
ヒ素含む塊、近年埋設? 茨城・神栖町
茨城県神栖町の地中で高濃度の有機ヒ素を含むコンクリート塊が地中から見つかった問題で、環境省は2月22日、井戸水の汚染原因は従来言われていた旧海軍施設の毒ガスではなく、93年ごろ現場付近で養魚場が埋め立てられた際に流し込まれたコンクリートの可能性が高いとする調査結果を発表した。
同省によると、塊の近くで93年製造のコーヒー缶が見つかったほか、塊の中にも清涼飲料の缶が多数埋まっていた。流し込んだコンクリートと一緒にヒ素が埋められたとみられる。
埋め立てにかかわったとされる業者は、聞き取りに対して「心当たりがない」と話しているという。同省は、関係者から当時の経緯についてさらに事情を聞くなど調査を続ける方針だ。
また、塊の大きさは縦8メートル、横10メートル、厚さ2メートルで、これまでの調査で最高の6万ppmの有機ヒ素化合物「ジフェニルアルシン酸(DPAA)」が検出された。水質基準と比較すると、約20万倍にのぼる。
2月22日、環境省の「国内における毒ガス弾等に関する総合調査検討会」が開催され、1月に発見された神栖町の毒ガス成分を含むコンクリート塊に関して、新たな情報が公表されました。
- 最初の掘削現場以外でも、更に2つのコンクリート塊が発見された。
①最初に発見されたコンクリート塊:東西10m×南北8m×厚さ2m
②北側に発見されたコンクリート塊:東西1m×南北2m×厚さ0.5m
③西側に発見されたコンクリート塊:東西1.2m×南北3m以上×厚さ1.5m以上 - 最初のコンクリート塊からは、総ヒ素量で2万ppmの高濃度のヒ素を検出。
- いずれのコンクリート塊の下部の土壌からは比較的低いヒ素しか検出されておらず、コンクリート塊自体が汚染源であると考えられる。
- コンクリート塊が埋められた場所から、缶コーヒーが多数発見され、そのデザイン等から平成元年以降に埋められてものと推測される
- 3つのコンクリート塊を安全に撤去し、成分の詳細な分析を行う。
- 平成元年以降の情報を引き続き収集し、発掘調査結果との整合性の検証を行う。
- 掘削作業は5月頃まで延長して行う。