10月8日、国内外の工業都市がまちづくりについて話し合う「世界地方都市十字路会議」(国土交通省、県、日立市など主催)が日立市内で開催されました。
第13回目を迎える今回の会議は、日立市発展の基盤となった日立鉱山の開業百周年を記念して、「Enjoy!工業都市」をテーマに開催されました。アメリカ、イギリス、中国、日本の7都市の代表者が参加し、市民約500人が、会議の模様に聞き入りました。
事例発表はアメリカ・チャタヌーガ市のロン・リトルフィールド市長、アメリカ・バーミングハム市のスコッテイ・コルソン市長行政補佐官、イギリス・ユーエフナーク村のクリストファー・トムソン州議会議員、中国蘇州市の王平蘇州高新区日本事務所長、能未県水俣市の江口隆一市長、日立市の樫村千秋市長が登壇。それぞれの都市再生のプロセスや原動力などを語りました。
リトルフィールド市長は、大気汚染の都市をテネシー川に着目してウオー夕ーフロント開発に成功した事例を報告。王平所長は、世界遺産の庭園など歴史文化と国際科学技術都市の両面で成長する都市を発表。江口市長は水俣病のイメージ一掃を目指し、環境への積極的でユニークな取り組みを報告しました。
パネルディスカッションでは、コルソン補佐官が市民エネルギーをクリエーティブに活用する必要性を強調。トムソン議員も市民参加と節約による財源確保でまちづくりを語りました。樫村市長はものづくり都市でも自然との共生をと訴えました。
7日、会議に先だって開催された歓迎式には、井手よしひろ県議も出席し、各都市の代表と忌憚のない意見交換を行いました。特に、水俣市の江口市長との語らいでは、井手県議が、「『公害の町・水俣』とのイメージを変えるために名称の変更などは考えないのか」と問いかけたところ、「水俣という名前があるから環境都市としての再生のアピールが出来る。子や孫達に誇れるまちづくりに取り組みたい」との明確なお答をいただきました。
(写真は10月7日に行われた世界地方都市十字路会議歓迎式典の模様、各代表の発言は東京新聞ならびに茨城新聞(共に2005/10/9付)の記事を参考にさせていただきました)