2005年、広島、栃木両県で連続して発生した下校途中に小学生女児が殺害される事件を受けて、子どもたちの通学時の安全確保へ、スクールバスの導入・拡充を求める声が広がっています。15歳以下の子どもの連れ去り事件の犯行現場の半数以上が路上であり、時間帯も登下校時が多いとの警察庁の調査結果もあり、政府は2005年末、地域の路線バスを登下校時にスクールバスとして活用する方策の検討を始めました。
文部科学省の調べでは、自治体が所有するスクールバスは全国954の市町村で計3333台(2004年5月現在)です。このうち、国の補助を利用したのは約2000台で、その他は各自治体の独自財源だけで購入したものです。国の補助は、へき地教育振興法に基づき小学校で4キロ以上、中学校で6キロ以上の通学距離を要する山間へき地で自治体がスクールバスを購入する際に費用の2分の1を補助する制度です。
少子化の影響や市町村合併の進展により、小・中学校の統廃合が進んでおり、05年度は53市町村で69台(2006年1月10日現在)が新たにこの補助を利用しスクールバスを導入したとされます。その半面、新潟・加茂市のように、国の補助の対象にならないため、独自財源だけでスクールバス導入に踏み切る自治体は、まだまだ少ないというのが現状です。
政府は2005年12月20日の犯罪対策閣僚会議で、子どもの登下校時の安全確保へ6項目の緊急対策をまとめ、その一つに「路線バスを活用した通学時の安全確保」を盛り込みました。現在、各省庁間で連携を取りながら、具体策を検討しています。
想定されるのは、学校の登下校時に限り、通常路線をさらに迂回する運行ルートを追加し、より児童・生徒の自宅に近い停留所を増設したり、バス停でなくても手を挙げればバスが停車する「自由乗降制」を採用するなどのほか、バス車両を丸ごと借り上げることなども考えられています。
いずれにしても、スクールバス導入は「不審者を排除できるという意味では、一つの有効な方法」であるには違いないものの、その実現過程においては、家庭、学校、地域、事業者などの協力体制が欠かせない上、財源の確保も大きな課題だといえます。
スクールバス導入へ先進的な自治体と、国の取り組みを、朝日新聞や公明新聞の記事などからまとめてみました。
それまではバス通学対象者を「通学距離2キロまで」と定めていたのを、増台後は、通学距離には関係なく「住宅が途切れる」「交通量が少ない」「通学路に山林や暗くて怖い場所がある」なども対象に加えて、行政区の集落ごとに各学校と教育委員会が協議して決定するようにしました。
これにより、全12校の市立小・中学校のうち、新興住宅街にある1校を除く11校にスクールバスを配置し、バス通学を市内ほぼ全域にまで拡大。利用者は約800人まで倍増し、全小・中学生の約3割(全小学生1798人のうち542人、全中学生932人のうち252人)が利用しています。
登校時は、早いところで朝7時半に停留所を出発。各バスの停留所は基本的に1カ所で、多くても2、3カ所。自宅から停留所までの距離は最も遠くて300~400メートル。朝1回の運行が基本ですが、1~3年生が第1便、4~6年生が第2便など2回運行の地域もあります。一方、下校時は学年により下校時刻が違うため、各校の事情で1~3回運行されています。また、停留所にボランティアが待機し、子どもたちが家に帰り着くまで見届けている地域もあります。
なお、バス購入費は国庫補助の対象外なので、当初から市が全額負担しています。1台当たりの年間維持費(燃料代、人件費など)は約620万円ですが、このうち約580万円を地方交付税交付金(05年度標準規模)で賄っています。
新田教授が提案したのは、登下校時も含めてお年寄りたちが子どもに交じってバスを利用する仕組みです。
統合で、バスは3台とも通学・福祉兼用に変更されました。従来、福祉バスとしては週原則6往復だったのが統合後は3台で週18往復に改善され、平日は毎日運行になりました。徒歩圏内でスクールバスが来なかった集落の児童も子ども料金を支払えば通学の足に使えるようになりました。
新田教授は「停留所で待つ間も大人が一緒。地域の人たちが子どもの顔を覚えることも防犯効果がある」と新聞社のインタビューに答えています。年間2160万円の維持費が統合で約130万円節約できたことになりました。路線バスの廃止などに伴う福祉バス導入を図っている自治体は多く、これにスクールバス機能を併用させる方策は、他地域の参考になります。
(朝日新聞2005/12/19付けの記事を参考にしました)
対象を拡大したのは町内6小学校のうち、スクールバスを導入している逆川小、須藤小、中川小の3校。いずれも中山間部にあり、これまで学校統廃合に伴い吸収した遠距離の学区の児童のみ、バスで登下校していました。
下校時はこれまで各校とも低学年、高学年の順にバスを運行していましたが、空き時間に増便し、残りの児童を新たに設けたいくつかの停留所まで送り届けることにしました。3校の児童数は計約340人です。
スクールバスの記事、読ませていただきました。
私が小学生のとき、(今から12年前が小6)は、そこまでは考えなくても良かった気がします。
今はそれだけ異常な犯罪が増えているんですね。
必要なら導入していただきたいです。
子供を守るためには地域の目が大切ですが、マンションができるとあまり町会とは馴染まないため、知らない子も多いです。
住民同士の交流もすすめていきたいです。
http://blog.m.livedoor.jp/torako1234/c.cgi?sss=stseugroodevil&id=50563056