毎年めぐってくる1月17日、阪神淡路大震災がおこり、6434人の尊い人命が失われ、早12年の歳月が流れました。
私は、ちょうど12年前、県議会議員として初当選し、この日、初議会(臨時議会)が召集され、ラジオで刻々と伝えられる惨状を聞きながら議会に向かった鮮明な記憶があります。その後、ボランティアの一員として被災地を訪れ、バイクで緊急物資の搬送に汗を流しました。
そんな当時を思い出し、最近特に感じるのは、災害体験の風化とそれをどのように後世に伝えていくかと言うことです。「のどもと過ぎれば熱さを忘れ」では、犠牲者の皆様に申し訳ありません。17日付の毎日新聞に同様の社説が掲載されました。そして、兵庫県での取り組みが紹介されています。
社説:阪神大震災12年 地域の防災教育を大切に
阪神大震災から17日で12年になった。あの時、日本中が震災の怖さを胸に刻んだはずなのに、体験は風化しやすい。
今月13日の千島列島沖地震では、北海道内で9万6000人余りに避難勧告が出たが、実際に避難した人は6%強に過ぎなかった。災害の教訓をどうやって次の世代に伝えていけばいいのか。そこで重要なのが防災教育である。
<中略>
自治体の取り組みは進みつつある。毎日新聞社が先月行ったアンケート調査によると、都道府県・政令市教委の約4割が独自に学校での指導方法を定めている。
兵庫県は98年につくった「学校防災マニュアル」を昨年改訂し、地震のほかに水害や津波などへの対応も加えた。静岡県は「防災教育基本方針」を体系的に教える柱にすえ、指導計画を作るよう学校に求めている。
学校や地域での取り組みも目立つ。兵庫県や毎日新聞社などが主催して防災活動に励む子供や学校を顕彰する「ぼうさい甲子園」は今年が3回目で、26都道府県から計120校・グループの応募があった。
グランプリに選ばれた兵庫県立舞子高校の環境防災科は、震災の経験を基に防災を学ぶ国内初の専門学科として02年に設立された。今年度は防災に興味を持つ若者との連携に力を入れ、震災体験と防災教育の大切さ、面白さを伝える出前授業や発表を行ってきた。地域住民を招いた地域防災セミナーも開催した。
高校部門優秀賞の福島県立双葉高校は、ボランティア活動を通じてお年寄りの話を聞き、運びやすいデニム製の担架や、食べやすい非常食を開発した。安否確認のカードを高齢者宅に設置し、登下校中に声掛け運動を続けている。
大災害が少ないといわれる茨城県ですが、原子力施設などの特殊条件もあり、防災教育のあり方について、再度確認をしてみたいと思います。