茨城県内の橋梁の安全性については、「日本の『橋』は大丈夫か!?」(2007/8/14)で指摘しましたが、8月22日までに、県の安全性緊急点検の結果がまとまりました。
それによると、国、県、市町村がそれぞれ管理する鋼鉄製の橋(トラス橋とアーチ橋)の内、県内にある33本すべてで崩落につながるような異常は見つかりませんでした。
また、この調査とは別に県は、8月3日~8日にかけて、県管理の2メートル以上の橋2271本中、新しいものなどを除く2161本の緊急点検を実施しました。鉄筋が露出したものと、今後経過観察が必要なものがそれぞれ9本あったが、崩落につながる著しい損傷はありませんでした。
さらに、県は今年度から来年度にかけ、県が管理する15メートル以上の橋837本の健全度を一斉点検し、2011年度までに長寿命化修繕計画を策定することになりました。高度成長期に建設された橋の老朽化問題が今後20年内に噴出するため、維持・管理を充実して架け替え時期を遅らせ、歳出削減につなげることが目的です。また、こうした点検を5年間隔で定期的に行う方針も決定しました。
橋梁の老朽化対策計画の策定は国が今年度創設した補助事業です。米中西部ミネソタ州ミネアポリスの橋崩落事故の発生もあり、今年度下半期からこの事業を実施することにしました。
一般的に橋は建設されてから50年で架け替えの検討が必要とされています。県が管理する837本のうち37本(5%)がすでに50年を超過しており、今後20年でその割合は348本(42%)にまで増える計算です。
日常的に県は、12ある土木事務所などの職員が月に7~8回、橋をパトロールし、目視点検をしています。これまでは傷んだところを見つけて、その都度補修してきましたが、今後は専門家が検査し、傷む前に定期的に修繕する計画です。