11月30日、茨城県中小企業課主催の「第2回まちの創業セミナー(まちの起業家交流会)」が水戸市内で開催されました。このセミナーは、まちの創業推進事業の一環として、地域住民が主体となって、地域の課題をビジネスの手法で解決する「コミュニティビジネス」など、地域の特性にあった事業を普及させるために開催されました。
「シニアを地域のプレーヤーに。指南!」と題して基調講演を行った堀池喜一郎氏(NPOシニアSOHO普及サロン・三鷹顧問、広域関東圏コミュニティービジネス推進協議会幹事)は、シニアの能力とやる気を活かした活動で、年間7700万円(2007年度)の売上を上げるまでになったNPO活動の経験から、コミュニティビジネスの立ち上げから運営までのノウハウを語りました。
冒頭、堀池氏はコミュニティービジネスの定義として、○住民に役立つ市民事業、地域活動を「コミュニティービジネス」と呼ぶ、○地域、郷土の課題をビジネス手法で解決する(ビジネス手法とは原価計算と顧客満足の2つが重要)、○郷土の資源を活用して郷土も自分も元気、○適正規模・利益(身の丈)で活動、の4点を上げました。
井手よしひろ県議らと堀池氏は、2001年暮れに知り合い、2002年に日立市で「NPO法人コミュニティネットひたち」の設立に際し大変お世話になった方です。各地の具体的事例をご紹介していただきながら有意義な基調講演となりました。
講演の後、県内各地域で活躍されている4人の方より事例報告がありました。いずれもユニークな手法で地域の課題に挑戦しており、たいへん貴重な報告を伺うことができました。
参考:NPOシニアSOHO普及サロン・三鷹
参考:どこ竹@竹とんぼ教室
<第2回まちの創業セミナー・パネリスト>
◆NPO法人くらし協同館なかよし(ひたちなか市) 塚越 教子 理事長 コンセプト:「地域住民に『食』と『ふれあい』と『いきがい』を提供する!」 活動の特徴:閉店した生協の店舗を借り受け、地域の交流の拠点として活用 事業内容:①高齢者や障害者の健康維持と介護予防に関する事業、②高齢者や障害者と市民の交流・助け合い・生きがいづくりに関する事業、③地域産業の支援と地産地消の活動、安全な食を守る活動に関する事業 | ![]() |
◆NPO法人生活支援ネットワークこもれび(ひたちなか市) 楳田(うめた) 美紀子 理事長 コンセプト:「ひとを育て、ひとを活かし、ひとをつなぐ」 活動の特徴:介護の専門職が立ち上げたNPO、一人のための介護サービスの提供 事業内容:①日常生活支援(家事介護等のサービス)、②デイホーム運営、③福祉介護相談、④移送・移動サービス、⑤啓発事業(映画会の企画・人材育成) ホームページ:http://www.npo-komorebi.jp/ | ![]() |
◆とまと倶楽部(日立市) 田尻 英美子 代表 コンセプト:「遊休農地活用によるまちづくり事業」 活動の特徴:市民農園の提供や自然薯作り 事業内容:①ふれあい農園事業(遊休農地を活用したビジネス)、②グリーンツーリズム事業(農業体験と観光事業を交えたビジネス展開)、③地域活性化事業(特産品づくり・循環型農園) ホームページ:http://wytomato.hp.infoseek.co.jp/ | ![]() |
◆シニア村(龍ヶ崎市) 今美 利隆 代表 コンセプト:「地域と共に医・食・住を満たす自分に合った住まい」 活動の特徴:日本初のコーポラティブ式シニアマンションを建設・運営 事業内容:「医食住」を考え、「生きがい」を見つけて地域の人や仲間にふれあいながらも個人の生活を大切にしていける「終(つい)の住家」を具体的に一緒に計画し、考え、協力し合える仲間を募集し、シニアマンションの建設・運営のコーディネートを実施 ホームページ:http://www.shinia-mura.com/ | ![]() |
茨城県内のコミュニティビジネスに対する行政の支援は、地域に夜格差が広がっているような気がします。
これだけしっかりしたCBが立ち上がって、行政との協働作業で様々な実績を上げているにもかかわらず、一向に関心も理解もない自治体もあります。
県の役割は、そんなギャップをまず埋めることになると思います。
さらに、今回のように先進事例を水平に展開していく必要もありますね。
本当に参考になりました。ありがとうございました。
井出さん、ブログ掲載ありがとうございます。この掲載が一番早いですね。私も早く立ち上げなければ…
今回のセミナーで、CB(コミュニティビジネス)の行政支援及び立ち上げは、茨城県は遅れているということは完全に払拭されたと思います。事例報告各氏が①地域課題をはっきりさせて取り組んでいる②個性ある運営に自信ある③今後の課題についても「伸びる可能性」を前提に考えている。という3点で、新しい段階に入っていると感じました。自立性がCBにあるわけですから十世紀を重視する行政が今度は「展開の支援」を本気で始める番と思いました。御礼ついでに、長い文を失礼いたします。