来年4月より森林と湖沼の環境保全に県民ひとり当たり年間1,000円を負担
茨城県は、12月県議会に「茨城県森林湖沼環境税条例」を提出する運びになりました。
森林や霞ヶ浦をはじめとする湖沼・河川は、水源のかん養、自然災害の防止(県土の保全)、水道用水をはじめ農業・工業用水の水源、さらには地球温暖化の防止など、県民の生活や産業を支えるために大きな役割を担っています。しかし、茨城県内では、管理放棄され荒廃した森林が増加しており、また霞ヶ浦をはじめとする湖沼・河川の水質は、目に見えるほど改善には至っていません。
このため、森林や湖沼・河川の恩恵を享受しているすべての県民に広く薄く、地方税として負担をしていただき、自然環境の保全を図るため「茨城県森林湖沼環境税」の導入が検討されてきました。
茨城県森林湖沼環境税の概要
課税方式:県民税の均等割額への超過課税(上乗せ)方式
税率・課税期間及び税収見込み
個人:個人県民税均等割(現行:年1,000円)に、年額1,000円を上乗せ
※ただし、次の方は非課税。
・生活保護法による生活扶助を受けている方
・前年中の合計所得金額が125万円以下の障害者・未成年者・寡婦または寡夫の方
・前年中の合計所得金額が市町村の条例で定める金額以下の方
法人:法人県民税均等割(現行:資本金に応じ年2万円から80万円の5段階)に、年額10%を上乗せ
期間:平成20年度からの5年間
税収見込:概ね年16億円
税率・課税期間及び税収見込み
個人:個人県民税均等割(現行:年1,000円)に、年額1,000円を上乗せ
※ただし、次の方は非課税。
・生活保護法による生活扶助を受けている方
・前年中の合計所得金額が125万円以下の障害者・未成年者・寡婦または寡夫の方
・前年中の合計所得金額が市町村の条例で定める金額以下の方
法人:法人県民税均等割(現行:資本金に応じ年2万円から80万円の5段階)に、年額10%を上乗せ
期間:平成20年度からの5年間
税収見込:概ね年16億円
森林環境税はすでに、国内26県において導入されています(実施済23県、条例制定済3県)。茨城県の森林湖沼環境税の特徴は、環境税の使途に湖沼(特に霞ヶ浦)を加えたことです。また、森林にあっても関東平野に特徴的な「里山」の保護にも対象事業を広げました。井手よしひろ県議は、環境を守るためという目的税に近い要素が強い税金であるために、基金や特別会計で運用することを主張しました。こうした意見を尊重し、県は森林湖沼環境税の使い道を明示し、その結果も県民に詳しく報告するとしています。
1年間の税収見込みは約16億円で、以下の事業を5年間行うとしています。全体事業費は約80億円になります。
森林環境税の主な使いみち
(1)森林の保全・整備 【必要な事業費:年間約8億円】
①間伐により荒廃した森林の保全・整備を推進【約4億円】
緊急に間伐を行う必要がある管理放棄され荒廃した森林のうち、水源かん養機能または山地災害防止機能が高い森林を対象とする。
・新税で追加して実施する間伐1,200ha/年
※現在実施している間伐(林業活性化のための森林整備)800ha/年
②身近な緑の保全・整備を推進します 【約2億円】
平地林・里山林について、市町村や住民団体等が主体となった保全・整備を推進。海岸部における松枯れ跡地の復旧、都市部における緑の創出・保全などを新たに支援。
・新税で追加して保全・整備する面積250~500ha/年
※現在実施している面積30ha/年
③いばらき木づかい運動(県産材の利活用促進)を進めます 【約1億円】
・県施設への県産材利用の推進,新築木造住宅への支援(柱材等の提供)の拡充
・県産材を利用したデザインコンペの実施,市民グループなどの木づかいの取組への支援
④森林環境教育などを通じ県民意識の醸成を図ります 【約1億円】
・子どもから大人までを対象とした森林環境教育を進める指導者の養成、子どもの森など教育の場づくり、体験活動が行える仕組みづくり等

緊急に間伐を行う必要がある管理放棄され荒廃した森林のうち、水源かん養機能または山地災害防止機能が高い森林を対象とする。
・新税で追加して実施する間伐1,200ha/年
※現在実施している間伐(林業活性化のための森林整備)800ha/年
②身近な緑の保全・整備を推進します 【約2億円】
平地林・里山林について、市町村や住民団体等が主体となった保全・整備を推進。海岸部における松枯れ跡地の復旧、都市部における緑の創出・保全などを新たに支援。
・新税で追加して保全・整備する面積250~500ha/年
※現在実施している面積30ha/年
③いばらき木づかい運動(県産材の利活用促進)を進めます 【約1億円】
・県施設への県産材利用の推進,新築木造住宅への支援(柱材等の提供)の拡充
・県産材を利用したデザインコンペの実施,市民グループなどの木づかいの取組への支援
④森林環境教育などを通じ県民意識の醸成を図ります 【約1億円】
・子どもから大人までを対象とした森林環境教育を進める指導者の養成、子どもの森など教育の場づくり、体験活動が行える仕組みづくり等
(2)霞ヶ浦をはじめとする湖沼・河川の水質保全 【必要な事業費:年間約8億円】
①生活排水などの汚濁負荷量の削減(点源対策)を推進 【約4億円】
○生活排水対策
窒素、りんを除去できる高度処理型浄化槽の普及促進
・新税により制度を拡充して整備する基数 年平均800基
・新税により撤去促進する単独処理浄化槽の基数 年平均400基
○工場・事業場からの排水対策
・霞ヶ浦水質保全条例による規制強化に対応するための無利子融資による排水処理施設の設置促進、水質浄化対策相談指導員の配置等監視体制の強化
○家畜排せつ物対策
・ 霞ヶ浦水質保全条例による規制強化に対応するための汚濁負荷削減施設の整備促進
②農地や市街地からの流出水への新たな対策(面源対策)の推進 【約3.5億円】
○農地からの流出水対策
・循環かんがい施設の整備等(5年間の整備面積:約3,000ha、湖岸の水田・ハス田50箇所、その他50箇所)
○市街地からの流出水対策
・流出水対策地区等に排水浄化施設を設置
③県民参加による水質保全活動を促進するとともに、県民意識の醸成を図る 【約0.5億円】
○市民団体の活動に対する支援の強化
・市民団体の連携の強化、浄化実践活動への支援の充実
○意識啓発活動の強化
・きめ細かな意識啓発活動の展開、小中学生を対象とする体験学習の推進など

○生活排水対策
窒素、りんを除去できる高度処理型浄化槽の普及促進
・新税により制度を拡充して整備する基数 年平均800基
・新税により撤去促進する単独処理浄化槽の基数 年平均400基
○工場・事業場からの排水対策
・霞ヶ浦水質保全条例による規制強化に対応するための無利子融資による排水処理施設の設置促進、水質浄化対策相談指導員の配置等監視体制の強化
○家畜排せつ物対策
・ 霞ヶ浦水質保全条例による規制強化に対応するための汚濁負荷削減施設の整備促進
②農地や市街地からの流出水への新たな対策(面源対策)の推進 【約3.5億円】
○農地からの流出水対策
・循環かんがい施設の整備等(5年間の整備面積:約3,000ha、湖岸の水田・ハス田50箇所、その他50箇所)
○市街地からの流出水対策
・流出水対策地区等に排水浄化施設を設置
③県民参加による水質保全活動を促進するとともに、県民意識の醸成を図る 【約0.5億円】
○市民団体の活動に対する支援の強化
・市民団体の連携の強化、浄化実践活動への支援の充実
○意識啓発活動の強化
・きめ細かな意識啓発活動の展開、小中学生を対象とする体験学習の推進など
茨城県の森林・湖水環境税には反対です。
詳しくは,上記ブログにパブコメで提出した反対意見を載せましたが,僕にはこの税がいわゆる「環境保護という美名を借りた安易な増税案」で「取り易いところから取る税」という側面がどうしても否定できません。行政側のパブコメに対する回答も,ほとんど議論になっていない部分が多く,少なくとも僕の反論には答えておりませんでした。
県議会の大勢は賛成のようですが,議員の皆さんは提案を本当に全部丁寧に読んでいるのでしょうか?均等割とは何かが分かっているのでしょうか?非常に疑問です。