民主党の小沢代表は、10月1日に行われた代表質問で民主党の選挙公約を明らかにしました。高速道路無料化、農業者戸別所得補償、子ども手当の創設はもとより公立高校授業料無料化、中小企業法人税率半減、パート・派遣社員の正規雇用待遇、最低賃金時給1000円、ガソリン暫定税率廃止など甘い言葉のオンパレードとなっています。
特に、子育て家庭には、1人当たり月額2万6000円の「子ども手当て」を中学校卒業まですべての子どものある家庭に支給するという提案は、非常に魅力的な公約となっています。公明党が連立与党に参画し10年目。その間、児童手当の拡充に全力を挙げてきましたが、その実績は、第1子、第2子に5000円、第3子以降に1万円を小学校卒業まで支給するという内容です。現在の児童手当は、乳幼児加算もありますが、所得制限もあり、民主党の子ども手当ての方が一見子育て支援に効果的であるように思われます。
しかし、民主党の主張を詳細に分析してみると、その財源の4割を「配偶者控除」と「扶養控除」の廃止で賄うとしています。万が一、これが実現すると子どもが高校、大学で一番お金のかかる時に、税金が今の2.5倍(年収500万標準世帯)になってしまいます。当然、子ども手当の恩恵にも浴さないので大増税です。
民主党が、廃止すると言っている配偶者控除・扶養控除は、所得税で38万円、住民税で33万円。特定扶養控除(16歳~22歳)は、所得税で63万円、住民税で45万円もあります。これらを全部廃止した場合、年収別にみると増税額は、下記のような試算となります。
給与 年収 | 現 在 | 民主案 (配偶者・扶養控除廃止) | 増税額 単位円 | ||||
所得税 | 住民税 | 合計 | 所得税 | 住民税 | 合計 | ||
500万円 | 47,000 | 121,000 | 168,000 | 160,500 | 264,500 | 425,000 | 257,000 |
600万円 | 87,000 | 211,000 | 298,000 | 248,500 | 344,500 | 593,000 | 295,000 |
700万円 | 160,500 | 305,500 | 466,000 | 416,500 | 428,500 | 845,000 | 379,000 |
800万円 | 268,500 | 395,500 | 664,000 | 596,500 | 518,500 | 1,115,000 | 451,000 |
当然、子どもがない家庭は、民主党案では「配偶者控除」廃止の直撃を受けます。年収500万円の家庭では、年間7万1000円の増税となります。
給与 年収 | 所得・住民 税合計 | 民主案 税合計 | 増税額 |
300万円 | 108,000 | 162,500 | 54,500 |
400万円 | 219,000 | 273,500 | 54,500 |
500万円 | 354,000 | 425,000 | 71,000 |
600万円 | 514,000 | 593,000 | 79,000 |
700万円 | 736,000 | 845,000 | 109,000 |
800万円 | 1,006,000 | 1,115,000 | 109,000 |
確かに、子供手当てに関する議論がされていますが、子供のいない家庭を例に取ることがおかしいと思います。
現在の年金制度は現在働いているわれわれが、現在の老齢者の年金となっている現状を考えると、少子化問題はかなり深刻な問題なのではないでしょうか?
外国人を日本に引き入れるという案もでてきてますし、農業自給率が低い日本は、子供自給率??も低い日本になってしまうでしょう。
国家は人で成り立っています。人がいなくなればそのうち国家規模も縮小し、しいては一人一人の能力が問われてくるシガナイ世の中になるのではないか?と思います。
それは国家としてあるべき姿ではないと思います。
年寄りもいれば、若い人もいて、優秀な人がいれば、劣勢な人もいる。それが国家ではないでしょうか?
優秀なひとや、若い人が、劣勢な人を助ける世の中にするためには、今後生まれてくる子供はかけがえのない将来への投資といえると思います。
また、病気などで子供を生めないもしくは、不妊治療をしている夫婦などそのような問題に対しても積極的に国がバックアップする必要があると思います。
とかく選挙権のあるお年寄りに厚い手当てがいきがちですが、選挙権を持っていない若い人や、乳幼児、学生にも今後住みやすい世の中をつくりましょう!!
先日コメントいたしました「通りすがり」です。
昨年の記事とは気付かずに失礼な書き込みをいたしましたことお詫びします。
申し訳ありませんでした。
民主党の言うとおりに配偶者控除や扶養控除・特定扶養控除が廃止になったら、15歳未満の子供がいない家庭は大増税ですよ。うちなんか、計算したら、課税対象額が139万円も増えて、現在の税率20%をかけると、27万8千円も所得税が増えますわ。累進税率の境目だから、30%税率になるかもしれん、そしたら41万7千円増。たまったもんじゃない。住民税があるから、この5割増しだ。まじめに働いて税金を払って、ようやくここまでの地位と年収を得たのに、増税なんてヒトをバカにしてる。高齢者・障害者の控除を受けている皆さんも大増税ですよ。
損得といっても、不労所得を得したと考えていいのか、疑問です。勤労所得をむしり取られるほうが問題だと思います。
今でも学費免除制度などはあるわけで、低所得者でも進学できますし、子ども一人当たりでは教育予算も決して少なくはないわけで、余計なことはしないでほしいです。
コメントありがとうございます。
最初にお断りいたします。
この記事を私が書いたのは、08年10月31日です。この時点では民主党の子ども手当ての財源、控除の廃止など正確な情報を一地方議員の私は把握することは出来ませんでした。
したかがって、限られた条件で税理士さんと相談して、このブログを立ち上げたものです。
総選挙を前にして、民主党も具体的な増税になるケースを公表したようです。
したがって、最新の情報からすると、「通りすがり」さんのご指摘の方が正しいかもしれません。
でも、昨年の時点で民主党は責任ある政策の骨格を明示していなかったわけですので、このページの記事が「このサイトの試算自体が間違っています」とのご意見は、承伏しかねます。
わざわざ子供2人とも子ども手当がもらえない年齢設定にしているので、
手当は換算していなくて正解です。
しかし、民主党は「特定扶養は廃止しない」と発表しているので、このサイトの試算自体が間違っています。
さらに、民主党のこの政策は公立高校授業料無料化とセットとなっているので、高校生の子供がいることを仮定するのであれば年間約12万円の授業料減も計算に含まなくてはいけません。
民主党の扶養控除廃止に関する定量的評価を示していただき、ありがとうございます。
これによる民主党案の増税額を提示したことは今後の議論に役立つでしょう。
ただし、最終的に比較したいのは、子どもを育てる家庭の支援に有効かどうかのはず。
子ども2人家庭では、民主党案は年間624000円支給するのだから、給与年収500~800万円世帯はいずれも「黒字」であり、その額は、17~27万円。かつ、低年収世帯に手厚い「黒字」ですよね。
一方、現在の児童手当は子ども2人に月額1万円だから、年間「黒字」は12万円。年収によらず一定。
民主党案は、子どもがいない世帯から子どもを育てる世帯、かつ低年収世帯に所得をシフトさせる傾向性がより強いように感じました。
ところで、(支給総額―増税総額)は、現状と民主党案のどちらがプラス側になるのでしょう?