10月30日に麻生総理が発表した「定額給付金」について、井手よしひろ県議は街頭での県政報告を行い、その目的や今後の検討の方向性などについて語りました。以下、その内容を要約して掲載いたします。

「高額所得者にも支給するのは?」との世論を受けて、「所得制限」を設けることも検討中です。ただ、所得を迅速に把握することが事務的に非常に難しいことも事実です。世帯別の所得を国が生活につかむためには、法律を改正したりしなくてはいけません。その時期も来年6月以降になってしまいます。例えば、去年は年収が1500万円を超えていたが、会社が倒産して年収が3分の1以下になったなどの変化のあった人は、その所得を変化を把握することが出来ません。その意味では、所得制限も「自己申告」でとの意見が出ているようですが、タイムリーな支給を最優先するためには、全く問題外の議論とは言えないと思います。
なぜ、当初主張していた「定額減税」から「定額給付金」に変わったかというと、大きく2つの理由があります。その第1は、減税されない人が多くいらっしゃるということです。例えば、一生懸命働いていても所得が低い方(課税最低限の所得の方)は減税されないということになってしまいます。フリーターや母子家庭の方などがこれに当てはまります。第2点は、減税では効果に時間差が出て、実感が薄れたり、経済効果が少なくなってしまいます。サラリーマンは、源泉徴収されていますので、減税効果がすぐに現れます。しかし、住民税分の税額が確定するのは来年6月ですので、2ヶ月以上のタイムラグが出ます。さらに、自営業者の方や農家の方は、確定申告をしますので、実際の減税効果は再来年の3月以降にならないとでないことになります。それに対して、「定額給付金」は、間違いなく来年の3月までに効果を発揮できます。

65歳以上のお年寄りにも8000円加算し2万円を支給します。様々な物価の上昇は、お年寄り家庭を直撃しています。実質的には負担が軽減されたといっても、長寿医療制度や介護保険など、年金から天引きされる金額も増えているのみ事実です。公明党の政治は「お年寄りにやさしい政治」ということの表れです。
こうした「定額給付金」について、野党や一部マスコミでは「ばらまき批判」が繰り返されています。食パンやスパゲティーなどが値上がりした時には、テレビや新聞は大騒ぎでした。「減税を行い物価値上げから庶民を守れ」と叫んでいたではないですか。「ばらまき」とは特定の業界や分野だけを優遇するものです。その財源を増税や借金(国債発行)で賄えば、「ばらまき」との批判も甘んじて受けなくてはなりません。
しかし、今回の「定額給付金」は基本的に国民すべてを対象にしているから「ばらまき」とは言えません。しかも、財布のひもをゆるめ、今、最も重要な「内需拡大効果」があります。また、所得の低い人ほど効果のある経済政策です。
さらに、「定額給付金」は、税金の無駄遣いを省いて特別会計に生まれた剰余金を使います。赤字国債は発行しません。民主党やマスコミは、この手法を用いるべきだと口先だけで叫んでいましたが、公明党が一生懸命、無駄遣いを削減して財源にすると言った途端、国債の返済にあてるべきといった主張し始めました。この変節ほど、見苦しいものはありません。
最後に、「定額給付金」は貯金に回り、経済的波及効果が乏しいとの批判もあります。しかし、現場はこんな余裕はありません。貯金できる余裕のある政治家やマスコミの高所得者の考える絵空事です。日本人は「貯金できない」状態です。家計の貯蓄率はこの10年間で10.0%から3.2%へ激減しています。給料が上がらず、物価が上がっているのですから当たり前です。タイムリーな定額給付の実現は、日本経済のカンフル剤となると確信します。
いずれにせよ、「定額給付金」を含む第二次の補正予算案を、この臨時国会で提出するのは、物理的に大変厳しい状況であると聞いています。やはり解散総選挙後の大きな政治課題になるのではと想定します。その意味では、総選挙に是非とも勝利させていただき、この「定額給付金」を実現させていただきたいと、強く訴え訴えるものです。
「世帯別の所得を国が正確につかむためには、法律を改正したりしなくてはいけません。その時期も来年6月以降になってしまいます。」と書かれているのですが、これは平成20年度の所得を把握しようとするからではないのですか? 本質的に把握不可能なんて、あり得ないと思うのですが。
日本人の平均レベルを明らかに超えていると思われる世帯は確かに存在し、年によって劇的に変化する割合はそんなに多くないと思うのですが…、どうなんでしょう?
すぐに把握可能な平成18、19年度の確定申告データからエイヤッと(例えば、1500万円とか、2000万円で)線引きして支給制限してはどうなんでしょうか?
もしその線引きが平成20年度の所得から見てとても理不尽であると主張する人は、確定申告データを提示して給付を申請する形にすればいいじゃないですか? おそらく、本当に必要な人は必死だから、驚くほど早く申請してくると思いますよ。