公明党が主張した子育て支援やがん対策も盛り込む
総額15兆円、事業規模で56兆8000億円に及ぶ追加の経済対策が、4月8日夜にとりまとめられました。
政府は、ゴールデンウィーク前には2009年度補正予算として、国会に提出する見込みです。補正予算としては過去最大規模で、当初予算と合わせて国の財政規模が100兆円を突破するのも史上初となります。
公共事業の前倒実施策としては、整備新幹線や羽田空港滑走路の延伸などに約2000億円配分することになりました。公立学校への耐震化工事や太陽光発電施設の整備などを進める「スクール・ニューディール」構想に5000億円を計上しました。
資金繰り支援では、中小企業向けには緊急保証枠を10兆円追加するほか、中堅・大企業向けには日本政策投資銀行などによる長期資金貸付枠を8兆円追加し、このための財務基盤強化のために政投銀へに追加出資します。雇用調整助成金の拡充などの雇用対策には、1兆9000億円。農林水産業対策には1兆円を充てています。
政策減税では、贈与税を2010年までの時限措置で住宅購入・改修時に限って年610万円まで非課税とします。また、中小企業の交際費課税の軽減対象額を上限400万円から600万円に引き上げ、企業の研究開発投資の税額控除限度額を時限的に引き上げるなどの3点を盛り込みました。
内需拡大策も経済対策の目玉となりました。古い車のエコカーへの買い替え促進させるため、保有期間13年以上の自動車を廃棄して、低公害車に買い替える際に一定額を補助する仕組みを創設します。補助額は最大で25万円となる見込みです。ドイツでは2月に類似の政策が導入され、買い替え需要が急増。3月の新車販売は前年比4割増となった経緯があります。ロイター通信の報道によると、日本でも相応の効果が見込まれ、第一生命経済研究所・主席エコノミストの熊野英生氏は、45万─151万台の需要を喚起する可能性があると試算されています。
さらに、2011年7月の地上デジタル放送(地デジ)完全移行へ向け、テレビの買い替え支援として、購入額の最大13%を次回の製品購入にあてることができる「エコポイント」を創設することになります。補助対象となるのは30万円までで、補助額は最大で3万9000円となります。先着1500万台が対象で、必要予算は2000億円程度を見込んでいます。
公明党が主張していた社会保障関連政策では、就学前3年間の幼児を対象に年3万6000円支給する「子どもと家族応援手当」は、09年度に限り実施することになりました。また、乳がんと子宮頸(けい)がんの検診費用を一定の年齢に達した女性に対し1回に限り無料にすることも盛り込まれました。