6月30日、県議会保健福祉委員会が行われ、席上、山口やちゑ保健福祉部長より、「平成22年度中の早い時期に茨城県にドクターヘリを配備する。茨城県のドクターヘリは、県央地域の救急病院の連携により運航する」との報告がありました。井手よしひろ県議らが、県議選のマニフェストとして提唱してきた課題が、実現に向けて大きく前進しました。
茨城県では、平成20年9月に「茨城県ドクターヘリ導入検討委員会」を立ち上げ、以来4回にわたって、ドクターヘリを導入するための様々な課題を検討してきました。6月22日開催された、第4回検討会で、「茨城県におけるドクターヘリ導入に関する意見」が取りまとめられました。
それによると、茨城県は来年22年度中の出来るだけ早い時期にドクターヘリを導入すること。基地病院は、県央地区の国立病院機構水戸医療センター、茨城県立中央病院、水戸済生会総合病院の3病院の共同運航体制とすることが提言されています。当面の間は、水戸医療センターと水戸済生会総合病院の2病院で当番制での運航となります。茨城県は、医療スタッフが充実した中核病院が位置的条件に合う場所にないため、複数の病院がスタッフを交代で出し合う共同運航方式が採用されました。
今後、具体的な導入計画が10月の県議会に提案される見込みです。井手県議らは、補正予算も10月議会に提出し、22年度当初からの運航開始を求めていきます。
なお「茨城県におけるドクターヘリ導入に関する意見」の概要は、以下の通りです。
(写真は福島県のドクターヘリを現地調査する井手県議)
茨城県におけるドクターヘリ導入に関する意見
平成21年6月22日
茨城県ドクターへリ導入検討委員会
茨城県ドクターへリ導入検討委員会
1.検討状況(主な検討事項)
第1回(H20.9.4)本県独自のドクターヘリの必要性、効果
第2回(H20.12.22)配備地域及び基地病院の要件
第3回(H21.5.21)基地病院に意向のある病院のプレゼンテーション
第4回(H21.6.22)検討結果の取りまとめ
2.基本方針
本県独自のドクターヘリを早期に導入すること。
3.実施方法
(1)導入時期:平成22年度のできるだけ早い時期
(2)配備地域:県央部が適当
考え方:
①県民に均質年救急医療を提供するため、県全域を概ね30分以内でカバーできる地域。
②他県の運用状況を勘案して、効果的、広域的に運用できる地域。
(3)基地病院の選定
候補病院:
(独)国立病院機構水戸医療センター、茨城県立中央病院、水戸済生会総合病院
補足意見:
候補病院が、ドクターヘリを効果的、安定的に運営するため、病院間の連携・協力体制を構築することが必要。
(4)運航体制(基地病院の選定)
①訂当面の運航体制
水戸医療センターと水戸済生会総合病院の共同運航方式が適当。
補足意見:県立中央病院の医療体制が整備・確保された場合には、3病院による連携・協力体制の再検討も必要。
②運航体制の検証
概ね2年間を検証期間とし、必要に応じて見直しを行うこと。
(5)実施主体
○事業の実施主体は、茨城県とすることが適当。
○基地病院は、県からの委託を受けてドクターヘリに搭乗する医師及び看護師を確保する。
(6)受入病院の確保
ドクターへリ搬送患者の受入病院を確保するため、医療機関にヘリポートの整備促進を図るとともに、各医療機関の診療機能等を調査し役割分担を定めること。
4.ドクターヘリを導入するための関係者の責務
県
①ドクターヘリを円滑に導入できるよう基地病院、受入病院及び消防機関等関係者との調整を行うこと。
②事業の実施に当たっては,基地病院及び受入病院の費用負担の軽減に努めること。
基地病院
①円滑に運営できるよう医師及び看護師の確保など、医療体制の充実に努めること。
②消防機関との連携を緊密にすること。
受入病院
①搬送患者の受け入れに必要な体制整備に努めること。
消防機関
①ドクターヘリを的確に要請できるよう救急救命士等の資質及び技術の向上に努めること。
②ドクターへリランデブーポイント(臨時離発着場)の確保に努めること。
5.その他意見
(1)他県との連携
他県のドクターヘリとの連携策を積極的に進めることが必要。
(2)防災ヘリの連携、活用
ドクターヘリとの役割分担と連携を図りながら、救急医療にも活用していくことが必要。
(3)事業実施に当たっての留意点
関係者間で充分な協議を行いながら準備を進め、県民に不利益が生じることがないよう万全の体制で実施すること。
第1回(H20.9.4)本県独自のドクターヘリの必要性、効果
第2回(H20.12.22)配備地域及び基地病院の要件
第3回(H21.5.21)基地病院に意向のある病院のプレゼンテーション
第4回(H21.6.22)検討結果の取りまとめ
2.基本方針
本県独自のドクターヘリを早期に導入すること。
3.実施方法
(1)導入時期:平成22年度のできるだけ早い時期
(2)配備地域:県央部が適当
考え方:
①県民に均質年救急医療を提供するため、県全域を概ね30分以内でカバーできる地域。
②他県の運用状況を勘案して、効果的、広域的に運用できる地域。
(3)基地病院の選定
候補病院:
(独)国立病院機構水戸医療センター、茨城県立中央病院、水戸済生会総合病院
補足意見:
候補病院が、ドクターヘリを効果的、安定的に運営するため、病院間の連携・協力体制を構築することが必要。
(4)運航体制(基地病院の選定)
①訂当面の運航体制
水戸医療センターと水戸済生会総合病院の共同運航方式が適当。
補足意見:県立中央病院の医療体制が整備・確保された場合には、3病院による連携・協力体制の再検討も必要。
②運航体制の検証
概ね2年間を検証期間とし、必要に応じて見直しを行うこと。
(5)実施主体
○事業の実施主体は、茨城県とすることが適当。
○基地病院は、県からの委託を受けてドクターヘリに搭乗する医師及び看護師を確保する。
(6)受入病院の確保
ドクターへリ搬送患者の受入病院を確保するため、医療機関にヘリポートの整備促進を図るとともに、各医療機関の診療機能等を調査し役割分担を定めること。
4.ドクターヘリを導入するための関係者の責務
県
①ドクターヘリを円滑に導入できるよう基地病院、受入病院及び消防機関等関係者との調整を行うこと。
②事業の実施に当たっては,基地病院及び受入病院の費用負担の軽減に努めること。
基地病院
①円滑に運営できるよう医師及び看護師の確保など、医療体制の充実に努めること。
②消防機関との連携を緊密にすること。
受入病院
①搬送患者の受け入れに必要な体制整備に努めること。
消防機関
①ドクターヘリを的確に要請できるよう救急救命士等の資質及び技術の向上に努めること。
②ドクターへリランデブーポイント(臨時離発着場)の確保に努めること。
5.その他意見
(1)他県との連携
他県のドクターヘリとの連携策を積極的に進めることが必要。
(2)防災ヘリの連携、活用
ドクターヘリとの役割分担と連携を図りながら、救急医療にも活用していくことが必要。
(3)事業実施に当たっての留意点
関係者間で充分な協議を行いながら準備を進め、県民に不利益が生じることがないよう万全の体制で実施すること。
ドクターヘリ基地病院 水戸医療センターと水戸済生会
茨城新聞(2009/07/01)
県選定、全国初の「輪番制」
県が来年度から導入を検討しているドクターヘリについて、基地病院に水戸医療センター(茨城町)と水戸済生会総合病院(水戸市)が選ばれたことが30日、分かった。専門医が少ないことから、全国で初めて複数病院による「輪番制」でヘリを運航。県は今後「来年度のできるだけ早い時期の導入」(山口やちゑ保健福祉部長)に向け、財政面などの調整を図る。
基地病院は「県ドクターヘリ導入検討委員会」(委員長・山口巌県医療改革担当顧問)が6月22日に選定し、同30日開かれた県議会保健福祉委員会で報告された。県立中央病院(笠間市)、筑波メディカルセンター病院(つくば市)も名乗りを上げていたが、ヘリ運航範囲の目安とされる半径50キロ、15分圏内に県内ほぼ全域が入る県央地域を検討委が選んだ。
県によると、水戸医療センターは県の救命救急センター(3次救急)で、水戸済生会も同センターに準じた地域救命救急センター指定を目指している。それぞれ救急専門医が2人、4人と筑波メディカルの8人に比べて少なく、単独運航は困難と判断した。
救急センターを建設中の県立中央病院は、専門医(現在1人)の増員やヘリポート整備など体制が整えば輪番に加わる。
本県は2004年7月から、日本医科大千葉北総病院(千葉県印旛村)を基地病院としたドクターヘリを千葉県と共同運航しているが、単独運航は初めてとなる。
県内でへリポートのある病院は基地となる2病院や搬先先に想定している筑波メディカルなど計9病院。患者を乗せる臨時へリポート(ランデブーポイント)は約300カ所あり、県はこれらの整備促進も図る。