藤井財務大臣の辞任は、鳩山政権の終演への序章かもしれません。後任の菅直人財務大臣は、就任早々の記者会見で、「もう少し円安の方向に進めばよい」と為替水準について発言。為替市場は敏感に反応して、1ドル92円に円は急降下しました。
みずほ証券のチーフマーケットエコノミスト上野泰也氏は、「産業界を引き合いに出しているとはいえ、為替水準に明確に言及していることには違和感がある」と語っています。また、草野グローバルフロンティア代表取締役草野豊己氏は、「政府債務が主要国の中でも突出している日本の財務相が財政拡張政策を意識させる発言をすれば、本格的な日本国債売り・円売りを誘発しかねない。海外勢は、自民党から民主党への政権交代を受けて日本の改革への期待を高めていたが、これもはく落しつつある」と、円安発言のその先にある深刻な状況に危機感を強くしています。
かつて菅大臣は「キレ菅」といわれ、その激情傾向が問題視されました。その感情制御が出来ない人物が、日本の財政の舵取り役が務まるか、すでに黄色信号が出ていると言わざるを得ません。