8 thoughts on “介護保険総点検運動の結果踏まえ、公明5つの提案


  1. ●行政のバックアップ
    ▼長野亮アナ「行政のバックアップで考えてみるといかかですか?」
    ▼高橋紘士教授「先ずは、新しく入ってきた人を支えるような仕組み、定着を見届けていけるような仕組み。言うまでもなく、介護報酬、賃金できちんと評価する。
     もう一つは、とても大事だと思っているんですが、
    『良い仕事をした所(施設)を評価する(介護報酬を増やす)。「単に寝かせきりにして収益を上げる」んじゃなくて、「改善努力に対してして収益が上がる」ような介護報酬を考えていく』。
     これがとっても大事だと思います」
    ▼長野亮アナ「どんな人でも必ず歳を重ねるわけですから、介護の現場の問題は、いま起きていることであることと同時に、将来に向けての課題でもあるのではないのでしょうか」


  2. ▼長野亮アナ「表情と言いましょうか、利用者と介護職員の双方の笑顔を見てると、これが理想的な介護なんだなぁと思ってしまいます」
    ▼高橋紘士教授「『かけがえのない仕事をしている』ってことを実感しますよね。
     こちらの新生会は全国的に大変有名だし、レベルの高い所ですが、
    『実は、いろんな所でこういう努力は始まっています。そういう所では、離職率は決して高くない。
     しっかりとした事業経営プランを持てば、離職率は下げられるんです』」
    ▼長野アナ「先ほどおっしゃっていた専門性は、こういった活かされ方をするのかなぁと、見てて私なんか思いました」
    ▼高橋教授「『目標を立てて支援するという考え方。お世話ではありません。自立支援』。
     そして、それに悩んだ時はサポートする専門職は揃っていますから、『自信を持って仕事ができる。それは“やりがい”に繋がるわけですよね』」
    ▼長野アナ「ですから、『介護職員の目標は利用者の目標でもある』わけですよね?
     介護職員の目標はイコール、お年寄りの方がどう回復していくか、どういう暮らしをするかという所に繋がっていくと」
    ▼高橋教授「おっしゃる通りです。それが、介護事業の醍醐味だと思います」


  3. ●“やりがい”が定着のカギ…専門性を活かす
    ■「社会福祉法人・新生会」(岐阜県池田町)
     離職率は6.5%。『設立されて30年間、深刻な人手不足に陥ったことはない』。
    ■この施設が力を入れているのが、《介護による利用者の機能の改善》。
     寝たきりだった人が身体を起こせるようになったり、認知症などでコミュニケーションがとれなかった人がとれるようになったりするなど、
    『介護によって(利用者の)状態が良くなることが、職員のやりがいになっている』。
    ◆「最前線で働く」看護職員を支援する仕組み
     介護職員=利用者
      ↓作成
     介護プラン
      ↑意見
     医師・看護士・作業療法士・言語聴覚士など
    ■この施設では、利用者一人一人に対して、対応する介護職員を決め、機能改善に向けた責任者とする。
     介護職員は先ず、担当する人の介護プランを作る。
     さらに、その職員が中心になってミーティングを開き、専門の医師や看護士、作業療法士、言語聴覚士などに意見を求める。
     『最前線で働く』看護職員を支援する仕組み。
     介護によって利用者の機能が改善した事例は、担当の職員が年に一度の発表会で報告する。
     「こうした成功事例を共有する」ことが、職員全体の意欲向上に結びついている。


  4. ◆好循環「介護職員の増員 →介護の質の向上 →利用者の増加 →収益アップ →介護職員の増員」
    ■悪循環を断ち切るために、あえて介護職員を増やした。
     すると、利用者と向き合う時間が増え、介護の質が向上。施設の評判は高まり、利用者が増える。その結果、収益がアップし、さらに介護職員を増やした。
     これを繰り返すことで、『当初25%もあった離職率は5%にまで低下』。
    ◆ロングバケーション制度
     ▽満2年以上勤務…14日間 ▽満2年未満勤務…10日間
    ■良い循環が生まれたことで、待遇面の改善も進んだ。
     こうした施設では珍しい「連続休暇制度」や「資格取得支援制度」を作った。
    ◆「『収入に限りがある時に、待遇を良くする』。待遇は総合的なもの。
     給料だけじゃなくて、研修であったり、休みであったり、社会的な評価だったり、色々な面があって処遇や待遇が決められる」
     by 妹尾弘幸 (株)QOLサービス・社長


  5. ●“ゆとり”が生む好循環…ホワイトカラーを削減し、中核の仕事である介護職員を増やす
    ■『介護の職場にどうやって人材を定着させていくか』
     成果をあげている施設を取材した。
     「(株)QOLサービス(広島県福山市)」。『この施設は、「(事務職や管理職を減らし、その分)介護に当たる職員を増やし、ゆとりを生み出す」ことで離職率を低下させた』。
    ◆「利用者:介護職員=3:1 → 2:1」 これにより離職率は25%→ 5%に低下
    ■当初は、「3人の利用者に1人の介護職員」を配置していた。それを、「利用者2人につき1人」へと手厚くし、『その分、事務職や管理職を減らした』。
     介護職員を増やした背景には、退職者が相次いだ過去の苦い経験がある。
     施設を立ち上げた最初の1年間で22人を雇ったが、8人が辞めた。


  6.  (司会:「専門性が評価されない」とは?)
     『この調査は資格を取られた方ですから、「資格を持っているのに、活かされないような職場じゃないのか」とお感じになる』。
     どうも、「介護とは家族がやっておられたお世話の代わりだ」という、そんなイメージで、事業者も実は一部そんな考え方をしている。
    (司会:一般的にもそう思ってらっしゃる方が多いかもしれない)
     そうじゃなくて、(介護は)プロの仕事なんです、本来は。看護とか医療とかと同じようにプロの仕事であるべきなのに。それをきちんと社会的にも、実は給与面でも評価されていない。
     (司会:家族の代わりにするのではなくて、『家族だから出来ない部分、プロだからこそやれる部分が相当数ある』ということを認識しないといけない?)
     おっしゃる通りですね。
     (司会:なるほど。ですから、労働条件の部分もあるんでしょうけど、やはり『精神的な部分にも影響を及ぼす』とこがありそうですね)


  7. ■なぜ解決しないのか人手不足…解決のヒントは辞める3大理由に
    ◆離職率…21.6% 産業平均…15.4%
    ◆介護の資格保有者を対象にした、辞めた理由[厚労省]
     ▽給与等の労働条件が悪い…32%
     ▽仕事の内容がキツイ…25%
     ▽専門性が評価されない…10%
    ◆介護福祉士養成学校・定員充足率[厚生労働省]
     ▽2006年度…71.8% ▽2007年度…64.0% ▽2008年度…45.8%
     介護職場が抱える問題が浮かび上がる。この3大理由に解決のヒントがある。
    ◆ by 高橋紘士・立教大学・大学院教授 介護政策が専門
     (司会:離職率が高く20%を超えている介護職ですけども、その理由が3つ出ていましたが、こうしてご覧になっていかがですか?)
     『「給与の問題」と「仕事の内容のキツさ」は、実は同じこと』なんですよね。
     『「仕事の内容に比べると、どうも給与がそれほどではない」とそういう感じをお持ちになったから』、こういう数字(辞める3大理由)が出たんだと思う。
     やっぱし大事なのは、中核となって働く方の給与、これは生活をきちんと支えるだけの必要な額を保証しないといけません。ここはちょっと課題ですね。


  8. ★しっかりとした事業経営プランを持っている事業者では、離職率は低い
    ■参考 「人手不足からの脱出なるか~模索する介護現場~」[NHKナビゲーション 2009/06/05]
    ◆これから必要な介護職員[厚労省]
     ▽介護が必要な高齢者:2006年…440万人 → 2014年…640万人
     ▽介護職員:2006年…117万人 → 2014年…160万人
    ■求職者は増えたが…
     社会福祉法人・太陽の里(三重県松阪市)の場合
     不況の影響で08年11月以降、求職者は多くなった。これまでに70人の面接をした。今までは月に2・3人だったが、今はほぼ毎日面接をしている。
     しかし、施設側の悩みは、『面接で仕事の内容(おむつ交換など腰を屈める作業、会話が成り立たない認知症利用者)を詳しく説明すると、辞退する人が多い』こと。
     そのため、採用に至ったのは14人。「介護の仕事ならすぐに働ける(はず)」と安易な気持ちで来る人が多い。

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