3月7日、公明党厚生労働部会(渡辺孝男部会長=参院議員)が開かれ、小児用肺炎球菌ワクチンとヒブワクチンを含む同時接種を受けた子どもの死亡例が4例報告されたことを受け、厚生労働省が両ワクチンの接種を一時見合わせるよう自治体などに伝えたことについて、厚労省から説明を聴取しました。
ワクチン接種で乳児死亡、5例目
産経新聞(2011/3/8)
小児用肺炎球菌ワクチンとインフルエンザ菌b型(ヒブ)ワクチンを接種後に、乳幼児が死亡するケースが相次いでいる問題で、厚生労働省は7日、ヒブワクチンを接種した宮崎県都城市の生後6カ月未満の男児が死亡していたと発表した。両ワクチンに関する死亡例は5例目。
厚労省によると、男児は2月4日にヒブワクチンとBCGワクチンを同時に接種。接種後は異常はみられず自宅に帰ったが、2日後に死亡した。男児は右心室肥大などの症状があったといい、ワクチンと死亡との因果関係は「評価不能」としている。
両ワクチンをめぐっては、2月から兵庫県宝塚市、同県西宮市、川崎市、京都市で0~2歳の男女計4人がワクチン接種直後に死亡。いずれも因果関係は不明だが、厚生労働省は今月4日、両ワクチンの接種を一時見合わせることを決定。8日に専門家による検討会が開かれる予定になっている。
党厚生労働部会の席上、厚労省側は、ワクチンの接種と死亡との因果関係は現状では「評価不能」または「不明」であるとし、因果関係の評価を実施するまでの間、念のため接種を一時見合わせる措置を取った経過を報告。8日に専門家による会議を開催し、因果関係の評価を行い結果を公表する方針を示しました。
公明党議員は、「速やかに因果関係の究明に全力を挙げてほしい」と述べた上で、自治体関係者やマスコミに今回の措置を伝える際に、適切な情報の提供を行うよう要望しました。

また、会合では、子宮頸がんワクチンが品薄になっているとの一部報道に関し、厚労省から「ワクチン接種を希望する人に接種できるよう努めていく」との報告を受けました。
なお、子宮頚がんワクチンについては、以下のような通達が厚労省から発信され、国の助成対象を高校2年生まで拡大することになりました。現場での混乱は、一応収束するものと思われます。
子宮頸がんワクチン供給不足 厚労省、助成条件緩和
日本経済新聞(2011/3/7)
昨年11月から国や地方自治体が公費助成している子宮頸(けい)がんワクチンが供給不足になっていることが7日、分かった。助成対象は中学1年から高校1年までの女子だが、接種希望者が予想を上回った。厚生労働省は同日、供給不足が解消するまで、現在の高校1年生が4月以降に2年生に進級後、初めて接種を受けた場合も助成対象とする通知を出した。
子宮頸がんワクチンは半年以内に計3回接種する必要がある。同省は自治体に対し、1回接種した人の2、3回目を優先し、まだ接種を受けていない人への接種を差し控えることも要請した。
同ワクチンは英製薬大手グラクソスミスクラインが国内では2009年12月に発売。同社によると、生産能力を増強することで5月から供給を増やし、7月には需要に追いつく見込みという。
同社は1年間で約400万回分を順次供給する計画を厚労省に報告していた。今年1~2月で昨年1年間分に相当する約80万~90万回分を供給したとみられるが、接種希望者が多く、供給不足となった。
同省は「3月までに初回接種を受けなければ対象外となる高校1年で希望者が多かったのではないか」とみている。助成対象外の年代で、自己負担で接種する女性が多かった可能性もある。
子宮頸がんワクチンは一部に公費助成する自治体があり、政府は昨年11月の補正予算で助成対象者計約230万人のうち85%が接種を受けると想定して約344億円の交付金を計上した。同社以外のワクチンも承認申請中で、近く承認される見通し。