復興再生機構の新設、継続協議に 民自公3党
日本経済新聞(2011・7・1)
民主、自民、公明の3党は30日、東日本大震災で被災した企業などが抱える「二重ローン」対策をめぐり実務者協議を国会内で開いた。民主党は独立行政法人の中小企業基盤整備機構が出資する「復興再生機構」(仮称)を岩手、宮城、福島の3県に新設し、貸出債権の買い取りなどで被災企業を支援する案を提示した。3党は結論に至らず、継続協議となった。
自民、公明両党は民主党に同機構の詳細を示すよう求め、7月8日に3党で再協議することになった。近藤洋介(民主)、片山さつき(自民)、大口善徳(公明)各氏らが協議に出席した。
これまで民主党は債権の買い取りについて、既存の中小企業再生ファンドを活用する考えを示していたが、自民、公明両党が被災企業の再生に主体的に取り組む専門の機構の設置を主張しているため方針を転換した。
近藤氏は「特別な状況を踏まえ、新たな仕組みをつくる方向に踏み出したい」と述べた。ただ、自民、公明両党は民主党提案を「支援対象に農林水産業者が含まれるのかがはっきりしない」などと批判。両党は中小機構主導ではない、企業再生の専門機関を新設する独自案を議員立法で提出する考えを崩しておらず、3党で合意を得られるかは不透明だ。
6月30日、民主・自民・公明の3党は、東日本大震災により工場や自宅を失った被災者が事業、生活再建のため、新たな借金を抱える「二重ローン」対策に関する実務者協議を行いました。
協議では、金融機関が抱える企業向けの債権を買い取る機関について、民主党が方針を転換。これまで主張してきた既存の「中小企業再生ファンド」による買い取りを撤回し、新機関を創設する意向を表明しました。
公明党は、中小企業再生ファンドについて、これまでの実績が乏しい上、リターン(利益)を求める傾向が強い点を問題視し、公的機関の新設を強く求めていました。
協議の席上、公明党側は、新機構創設のための法案に関して、今後も自公両党で検討を進めていくと主張。「実際に(新機構を)使えるものにするためには法制定も必要」として、「3党が合意できれば、(法制定の)時間もかからない。スピード感と法律をつくることは矛盾しない」と訴えました。
茨城県の中小企業再生の枠組みを示せ
さらに、現在の政府案では、「復興再生機構」(仮称)が岩手、宮城、福島の3県にしか設置されないという大きな問題があります。東日本大震災で大きな被害を受け、経営環境が悪化している企業は、茨城県内にも多数存在します。こうした現状を無視して、二重ローン救済の枠組みから茨城県を除外することは、絶対に許されません。
7月1日午前、井手よしひろ県議は、県を通して政府に茨城県への支援体制の確立を強く求めるとともに、公明党県本部代表の石井啓一公明党政調会長を通して、政府原案の見直しを強く求めました。