茨城県のの観光名所・袋田の滝(大子町袋田)が、強い寒気の影響でほぼ全面凍結しています。袋田の滝の凍結は通常は1月から始まりますが、この冬は12月中旬から始まり、下旬には滝全体が氷に包まれました。
訪れた観光客は、観瀑台のトンネルから抜けると眼前に広がる、巨大な氷瀑に驚きの声を上げていました。
大子町は、地元の観光業者や街おこし市民グループなどの声を受けて、当初1月末までとしていたライトアップを2月末まで延長しました。(撮影は2月3日、午前10:30頃)
久慈川の「シガ」。シガとは“氷花”と綴り、冬の久慈川(特に大子地域)の幻想的な風景の一つです。
シガは、過冷却になった水面や流れのなかで、岩盤の地温が下がり、浅瀬の乱流によってかき混ぜられ、シガの素(切片氷)が発生し、それらが流れの緩い場所で、浮かびながら集まったものとされています。水温が高いと当然氷が発生せず、低すぎると表面に氷となって張り詰めてしまうために、この地域特集の現象と言われています。(撮影は2月3日午前9:30頃、川山地区で)
地道な誘致活動で観光客数の増大を
昨年3月11日に発生した東日本大震災、そして福島第1発電所の原発事故の影響で、茨城県の代表的観光地である袋田の滝の観光客が減少しています。
大震災で、大子町では発生直後に袋田の滝に通じる観瀑(かんばく)トンネルを閉鎖。ほぼ1カ月後の4月9日に再開しました。この影響で、3月が前年比73%減、4月が73.7%減となり、5月も70.4%と大幅な落ち込みが続きました。6月に減少率が62.1%割台と少しづつ回復のきざしがみられ、7月~9月の減少率は4割台で推移し、減少傾向に歯止めがかかりました。
一年で一番観光客が増える11月は、12万2759人と前年の32.2%減までに客数が戻りました。年明けの1月は、寒さの影響で滝が凍結するなど話題を呼び、前年比82.3%まで改善してきました。
茨城県は、県内の観行地を周遊・宿泊するツアーのバス代金を助成する事業等を実施し、好評を得ました。また、大子町でも、町への観光客が首都圏で最も多い千葉県内のJR常磐線柏駅で2度の観光キャンペーンを繰り広げるなどして観光客誘致を図りました。
NHKの朝ドラのロケ地を誘致したり、ニュースやワイドショーに取り上げられるなどのマスコミを活用した集客も効果が出ているようです。
今後とも、戦略的で継続的な観光客の誘致活動が望まれます。