4月2日、井手よしひろ県議は、県立大洗水族館(アクアワールド大洗)を訪ね、河原井忠男館長より、震災以降の経営状況や東京電力の料金引き上げの影響などについて聴き取り調査を行いました。
アクアワールド大洗は、幸いにも地震や津波による被害は受けませんでしたが、福島第1原発事故の「風評」によって、県立水族館始まって59年めにして初めて、来館者が2割以上も減少するという危機的状況に陥っています。(入場料収入は32.6%減)
難局を克服するために、昨年4月1日から10日までの無料開放、ひたち海浜公園や北関東動物園・水族館との連携協定、大ジャングル展の開催、人気者カピバラの初めての導入など、積極的な誘客策を講じてきました。3月21日には、新館オープン10周年記念式典を開催しました。
このような中、東京電力が4月1日実行する大口需要者向けの電気料金の引き上げは、アクアワールド大洗にとっては、大きな打撃となります。
アクアワールド大洗では、サメやマンボウなど600種類余りの魚を飼育しています。水槽の温度管理や、ろ過装置を24時間動かすため、大量の電力を使い、年間の電気料金はおよそ1億2000万円以上に上ります。
東京電力では、新年度から約20%、年間の料金にして2600万円余りの値上げを求めて来ました。アクアワールド大洗では、民間の電気事業者(IPP)との契約を模索しましたが、入札に応札した事業者は現れませんでした。
河原井館長によると、東電の原発事故が原因での大幅減収の中、一方的な電気料金の値上げは納得できないとして、値上げ分については支払いを拒否する方針でと言うことです。河原井館長は、「電気は、何よりも大切な魚たちの生命線です。万が一、電気が止められるようなことになっては大変です。したがって、東京電力と契約を結びましたが、一方的な値上げに納得したわけではありません。値上げ分については、東電への損害賠償請求も検討しています。納得できる説明があるまで、値上げ分については支払いを留保し、抗議の姿勢を示すつもりです」と、井手県議に語りました。
(写真上:アクワワールド大洗のイルカショー、写真下:人気のカピバラ温泉)