8月8日文部科学省は、小学6年と中学3年を対象に4月に実施した全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果を公表しました。子どもたちの理科離れが懸念されている中、今年度は、国語と算数(数学)に理科を追加して3科目で実施されました。
茨城県の子どもたちの正答率は小学が全5科目で、中学は国語B、数学B、理科で全国平均を上回わりました。小学は全科目で10位台前半に付け、中学も国語A以外は順位を上げました。新たに実施された理科は小学が全科目最高の10位、中学も14位と比較的好成績でした。
茨城県では、全体では成績の改善がみられましたが、国語の基礎問題が全国平均を下回り、全国順位も10位下げたことが気になります。
国語と算数(数学)は基礎知識を問うA問題と基礎的知識を活用したB問題が出題され、理科は問題を分けずに知識と活用力の両方を調査しました。理科の全国平均正答率は小学が60.9%、中学は51.0%で、知識の活用や記述力に課題がみられました。
全国都道府県別順位をみてみると、小学、中学ともに例年上位の秋田、福井、富山、石川の各県が、国語と算数・数学の各A・Bに加え、理科でも好成績を収めています。下位は沖縄や高知、大阪となっています。東日本大震災により2年ぶりの実施でしたが、抽出試験であったためか、岩手、宮城、福島の被災3県で学力への影響はみられませんでした。
こうした結果について、小野寺俊県教育長は「本県独自の“少人数教育充実プラン推進事業“や四則計算等の基礎学力の定着を図るための“学びの広場サポートプラン事業”など、これまでの学力向上に向けた取組において、一定の成果が出てきたものと受け止めております。あわせて、学校現場が、子どもたちの学習意欲の喚起や指導方法を工夫するなど、学力向上に向けしっかりと取り組んできたことも一つの要因であると考えているところです。県としましては、今回の結果を励みとして、昨年度策定したいばらき教育プランに基づき、児童生徒一人ひとりの確かな学力の定着に向けた取組を一層強力に推進してまいりたいと考えております」とのコメントを発表しました。