「決められない政治とようやく決別できる」。国民は政権の再交代を待ち望んでいたに違いありません。民主党政権では、景気悪化に歯止めがかからず、震災復興も進まない、内政・外交とも失敗の連続でした。
昨年12月16日、その政権に厳しい審判が下りました。その結果、自民党、公明党による政権誕生が確定すると、日経平均株価は8カ月半ぶりに1万円台を回復、日銀も重い腰を上げて、大幅な追加の金融緩和や消費者物価上昇率2%の目標設定に積極姿勢に転じるに至りました。
何よりも経済、景気対策の強化を掲げて衆院選を戦った公明党や自民党への期待は大きいものがあります。新政権は、デフレ脱却にエンジン全開で取り組むことが求められています。
内紛ばかりの民主党政権では、強力な外交、安全保障政策を展開することはできませんでした。大混乱した日米関係を再構築し、いずれも新政権となった中国、韓国との関係改善に取り組まなければなりません。自公政権には、強い政治基盤を背景に、隣国への敬意を忘れず、力強く安定した外交が期待されています。
もちろん、参議院では民主党が第一党であり、自公両党は過半数に達していません。今回の衆院選がしばしば「準決勝」と指摘されるように、安定した政治を実現するためには、今年夏の参院選に勝利して「ねじれ」を解消することが重要です。
民主党は、2009年衆院選を前に、政権交代をめざして、「何でも反対」の姿勢で、当時の自公政権を立ち往生させたような愚行を繰り返すべきではありません。「対決型」の政治はすでに終わっています。社会保障と税の一体改革での3党合意に見られたような、「協議型」の政治で日本の難関を突破しければなりません。
衆院選で山口代表が提起した「政党の役割は何か」という問題には、まだ決着はついていません。政党は政治家のためにあるのではないのです。国民、有権者に対し、争点を整理し合意を形成する役割を果たす責任があります。
消費税、原発、環太平洋連携協定(TPP)などに反対して国民の支持を得ようとした政党は大きく後退しました。ポピュリズム(大衆迎合主義)を超えて、政党が論議を重ね、明確な結論を出すことが、政策への理解や共感を得る王道です。
衆院選で見られたような選挙目当てに政治家の都合で政党を結成・解党するような事態は論外であり、国民を混乱させるだけです。
グローバル化の潮流に洗われる時代では、争点、対立点はあまりにも多く、国民の価値観も多様化しています。争点によって支持政党が異なることも珍しくはありません。グローバル化に伴って、各国では、新たな勝者や敗者が生まれています。公明党は、福祉と平和の党である原点を基軸として、安全網を整備し国民の生活を守る政治に徹していくべきです。
公明党は、昨年9月、「大衆とともに」の立党精神の継承から50周年を機に新たな前進を開始し、衆院選では大勝利を果たすことができました。今年夏には参院選、東京都議選が戦われます。これら国政・地方選挙に大勝利することで、日本再建を担う党の盤石な基盤を築きたい。断じて負けるわけにはいきません。
党員、地方議員、国会議員のネットワークをさらに強めながら、来年の結党50周年をめざして着実な活動を展開してまいりたいと思います。