4月1日より全国銀行協会は、台風や地震などの大規模な自然災害で被災し、住宅ローンの返済が困難になった個人の債務を減免するための新たなガイドライン(指針)の運用を開始しました。東日本大震災後、いわゆる「二重ローン」対策として震災被災者を対象にした制度を全国に広げるのが狙いです。
指針は、今年9月以降に災害救助法の適用を受けた自治体で被災し、災害の影響でそれまでの債務の返済ができなくなった個人が対象です。9月に発生した関東・東北豪雨の被災者もも適用されます。
大規模な自然災害が発生すると、その影響を受けた個人は、住宅ローンや事業性ローン等の弁済ができなくなることがあります。このような状況になると、それまでの債務を抱えたまま、個人が生活を再建することは困難となります。
そこで、自己破産や民事再生などの法的倒産手続によることなく、債務整理を公正かつ迅速に行い、個人の自助努力による生活や事業の再建を支援し、被災地の復興・再活性化に役立てることが目的で、債務整理を行う場合の指針となるガイドラインがまとめられました。
このガイドラインに法的拘束力はありませんが、金融機関等より自発的に尊重、遵守されることが期待されています。
2重ローンなどを抱え、生活再建に窮している方には朗報です。
このガイドラインは、災害救助法の適用を受けた自然災害の影響を受けたことによって、住宅ローン、住宅のリフォームローンや事業性ロ ーン等の既往債務を弁済できなくなった個人の債務者であって、破産手続等の法的倒産手続の要件に該当することになった債務者が対象です。このような法的倒産手続 によらずに、金融機関などの債権者と債務者の合意に基づき、債務の全部又は一部を減免する等の債務整理を公正かつ迅速に行うために設けられました。
このガイドラインに基づく債務整理を行った被災者は、信用情報登録機関への個人信用情報の登録・報告が行われないことに最大の特徴があります。
【参考】 全国銀行協会ホームページ
•「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」
http://www.zenginkyo.or.jp/fileadmin/res/news/news271225_1.pdf
•「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」Q&A
http://www.zenginkyo.or.jp/fileadmin/res/news/news271225_2.pdf