
朝ごはんは、何気ない日常の一コマですが、実はその一皿に“未来の健康”が詰まっています。
高血圧や肥満といった生活習慣病を抱える人にとって、朝食はまさに体を整えるスタートライン。肥満気味で高血圧のIさんの朝ごはんをのぞいてみました。
ある日の朝食をスマホで撮影し、ChatGPTに採点してもらいました。その評価は100点満点中「93点」!よくある和食のように見えて、実はあちこちに“健康を意識した工夫”が詰まっていました。
その日のIさんの朝食には、雑穀入りのごはんに納豆、キャベツやトマト、しめじといった野菜と一緒に焼いた豚肉、そしてごぼう、かぼちゃ、大根が入った具だくさんの味噌汁。さらに、のりと鰹節を合わせた「のりおかか」、しらすおろしが添えられ、飲み物は豆乳ベースのグリーンスムージーとブラックコーヒーが並んでいました。
雑穀ごはんは白米よりも血糖値の上昇が緩やかで、よく噛むことで満腹感も得られるため、食べすぎを防ぎやすくなります。ミネラルも豊富で、まさに肥満対策にぴったり。納豆は、血液をサラサラにするナットウキナーゼが含まれ、Iさんのように血圧が高めの方にはうってつけです。
野菜と豚肉の焼き物は、栄養のバランスが絶妙でした。豚バラ肉は脂質が多めですが、しっかり焼いて余分な脂が落ちており、野菜の食物繊維やビタミンと一緒にとれば、栄養面でも安心。より脂質を控えたい場合は、ロースやヒレ肉に変えるのがおすすめです。
味噌汁もポイントが高く、ごぼうやかぼちゃ、大根といった根菜がたっぷり。野菜からカリウムもとれるので、塩分の排出を助けてくれます。味噌は減塩タイプを使い、出汁を効かせれば美味しさはそのままに塩分もコントロールできます。
副菜の「のりおかか」は、焼きのりと鰹節のシンプルな組み合わせですが、カルシウムや鉄分、ビタミンB12などの栄養素が詰まっています。塩分を加えなくても風味があるので、自然と減塩にもつながります。しらすおろしも、骨ごと食べられるしらすからカルシウムがとれ、大根おろしの酵素が消化を助けてくれる、実はとても理にかなった一皿です。
豆乳スムージーは、血管をしなやかに保つ大豆イソフラボンやマグネシウムを含み、動脈硬化や高血圧の予防にも効果が期待されます。脂質やコレステロールを気にせず飲めるのも嬉しいところ。ブラックコーヒーは目覚めにぴったりですが、Iさんのように血圧が気になる方は、1杯程度にとどめておくのが安心ですね。
全体を通して見ると、栄養バランスは申し分なく、野菜、たんぱく質、食物繊維、ミネラルと、体に必要な栄養素がしっかりとれています。唯一気になったのは、豚肉の脂質と、味噌汁・納豆のタレ・しらすなどの“隠れた塩分”が重なっている点ですが、それでも全体の完成度は非常に高く、「93点」の評価に値する内容でした。
健康というのは、一朝一夕で手に入るものではありません。毎日のごはん、特に朝の一食をどう積み重ねるかが、5年後、10年後の体調を決めるのです。薬に頼る前に、朝ごはんで体を整える。難しく考えず、できることを少しずつ取り入れていくことで、体はちゃんと応えてくれます。
こんな朝ご飯を作ってくれる人に大感謝です。