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ひたみち日記

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井手よしひろが茨城県日立市からローカルな情報を発信中

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公明党らしさをアピールできる体制を整えよう/公明党の参院選総括に寄せて

管理者 2025年9月13日
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9月11日、公明党が第27回参議院議員選挙の総括を公表しました。
擁立22名のうち19名が当選した一方で、比例区の得票減や与党全体の過半数割れなど、痛みを正面から受け止めた内容でした。方面別懇談会で寄せられた現場の声として、「公明党らしさ」の訴求力不足、党活動に幅広く参加いただく仕組みの弱さ、そして組織の“地力”をどう底上げするかといった課題が、率直に書き込まれていたのが印象的です。
現状認識を「党存亡の危機」とまで位置づけ、ブランディングや広報宣伝体制の抜本的再編、「サポーター制度(仮称)」や「党学生部」の創設など、次に踏み出すべき方向性も示されました。来たる大型選挙に向けたアクションプランを、立党精神の再確認と結び付けていく姿勢は、国民の安心と希望を取り戻すために不可欠だと感じます。

現状認識と敗因

●自民支持層・無党派層からの信任不足
●40~50代現役世代、10~30代若年層で支持伸び悩み
●与党への逆風と世界的な多党化が日本でも本格化
●既存政党・政治手法への国民の拒否感(自民党の不記載議員への推薦など)
●軽減税率は適切な結論を得るも、政策調整の遅延による影響否めず→「党存亡の危機」と位置付け

今後の党改革の方向性

①ブランディング・広報宣伝体制の抜本的再編
②「サポーター制度(仮称)」「党学生部」の創設
③「責任ある中道改革勢力」の軸として役割果たす

私は、議員OBとして今回の総括に異論を唱えるつもりはありません。多くの点で耳の痛い課題を率直に書き込み、よくここまで整理されたと評価いたします。そのうえで、あえて一つだけ補足したい視点があります。総括は参院選の検証ですから、衆院の小選挙区戦術に踏み込んでいないこと自体は理解できます。

しかし、今日の「公明党らしさ」を弱めてきた要因の一つとして、衆院小選挙区における他党との協力・連携の積み重ねは、やはり議論から外せないのではないでしょうか。選挙区対応に過大な資源を傾ける体質が固定化し、政策形成や国会内での交渉力、さらには党全体のメッセージ発信が後景に退きます。党の顔である幹部が衆院小選挙区や参院選挙区を抱え、地元対応に忙殺される構図は、国家的課題に腰を据えて向き合う時間とエネルギーを確実に削ってしまいます。石井啓一前代表、斎藤鉄夫代表、西田実仁幹事長のような要の人物を、地域の厳しい小選挙区選・選挙区戦に恒常的に縛り付けることが最善なのか――ここは“勝ち筋”だけでなく、党の存在意義から逆算して再設計すべき論点だと考えます。

同時に、より大切にしたいのは地方のより強力な基盤づくりです。主要都市での多人数擁立によって議席数を“見かけ上”積み増すより、全国の市町村に。もれなく公明党議員を置く「公明党議員の空白区をなくす」――この“面の戦略”こそが、公明党の生命線であり「公明党らしさ」の源泉だと確信しています。防災、子育て、福祉、教育、デジタル行政といった生活密着の課題は、市区町村の現場で兆しが生まれ、悩みが集まり、解決の糸口もまた現場から立ち上がります。地域の声を丁寧に拾い上げ、都道府県や国の政策へと橋渡しする“毛細血管”の役割を担うのが、まさに地方議員です。幸い、茨城県では44の全市町村に公明党の議員が在籍し、地域の課題を確かな言葉に変え、県政・国政に届ける循環が息づいています。この手触りのあるネットワークを全国に広げ、「空白自治体をつくらない」ことを明確なKPIとして掲げる――それが、比例区の物語性を取り戻し、党全体の信頼を再構築する近道ではないでしょうか。

総括が掲げるブランディングの再編やサポーター制度、学生部の立ち上げはいずれも前向きな提案です。ただ、制度や看板だけでは血は通いません。鍵は、日々の暮らしの現場に立つ地方議員の活動を主役に据え、国会・政府と双方向の回路をつくることです。たとえば、地方発の政策起案を定期的に中央へ吸い上げる公式の“現場会議”を制度化し、成果が国の制度・予算につながった案件を可視化して共有します。さらに、住民や専門家、若い世代が気軽に参画できる小さな対話の場を各地に常設し、サポーター制度の“入口”として育てていく。こうした地道な仕組みづくりが、やがて国政選挙での説得力あるメッセージに結晶していくはずです。

「党存亡の危機」という厳しい言葉は、結束を迫るスローガンではなく、構造を改めるための自省の号砲であるべきだと受け止めています。現場を主戦場に据え直し、空白を埋め、幹部は国家課題に専念できる布陣へと改める。公明党の強みである生活者目線と対話の力を、もう一度前面に押し出すことができれば、比例の一票にも、若い世代の支持にも、確かな理由と希望が宿ります。立党精神に立ち返りながら、次の一歩を現場から積み上げていきたい――その思いを、今回の総括への私なりの付記として記しておきます。

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井手よしひろです。 茨城県の県政情報、 地元のローカルな話題を 発信しています。 6期24年にわたり 茨城県議会議員を務めました。
一般社団法人地方創生戦略研究所
https://y-ide.com
master@y-ide.com

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