高萩市は、生ごみの高速堆肥化施設建設など、新らたなごみ処理システム導入を議会に提案していましたが、7月4日の臨時議会で、関連議案が賛成少数で否決されました。
この事態を受け、施設運営の受託協議を進めてきた福島県いわき市の「ジーセブン」は、「執行部と議会、市民が一体となっていない現状では技術協力は難しい」と、高萩市への進出断念を表明しました。地元紙の取材によると、岩倉幹良市長は「基本方針は変えるつもりはない。再度精査して議員、市民の理解が得られるよう努めていきたい」と話しています。
3日の臨時議会はゴミ処理施設関連議案について、文教厚生委員会の寺岡七郎委員長が「否決すべきもの」と一日の審査結果を報告。その後、3議員より「執行権でできるものを議決事項にするのは議会への責任の押しつけとしか思えない」などと反対討論があり、採決の結果、賛成少数で否決となりました。
そのため、執行部は5日に提案予定だったごみ処理施設の処理方式を高速堆肥化、炭化方式、設置場所を赤浜地区工業団地内に定めることについて議決を求める議案と、場所が特定されなければ実施できない環境アセスメントのための補正予算案を、いずれも取り下げました。このため、臨時議会は日程半ばで5日で閉会となる見込みです。
朝日新聞7月5日付の記事によると、岩倉市長は、ゴミ処理施設の運営を年間約5500万円でジーセブンに委託し、随意契約を結ぶ予定でした。岩倉幹良市長は「一般廃棄物の中間処理の許可を持って生ごみの堆肥化をしているのは全国でジーセブンだけ。入札しても参加企業はない」と説明していました。しかし、ジーセブン幹部が市幹部と親類関係にあることや、市が一般廃棄物処理の全体の基本計画を策定する前に、業者だけを先に決めたことについても市議から業者だけを選ぶのはおかしいとの声が出ていました。
ジーセブンの樫村新一社長は「高萩市内で街宣車が出回り、憶測で中傷されるのは心外。市内に住む両親の反対もあり、断念を決めた」と話しました。(朝日新聞の記事より)
議会での関連議案の否決とジーセブンの撤退表明で、高萩市のゴミ処理施設問題は、全く白紙に戻ったことになります。