6月1日より、改正道交法が施行され、駐車違反取り締まりを民間委託する新たな駐車対策制度がスタートしました。新たな制度は民間委託のほか、短時間の放置駐車違反取り締まり、車両の持ち主に対する放置違反金の導入が主な柱となっています。取り締まり強化で違法駐車の減少が見込まれる一方、駐車監視員とドライバーのトラブルを懸念する声や中小小売業者や配送業者の負担増など問題点も指摘されており、新制度の今後の運用が注目されます。
茨城県内で、駐車監視員制度を導入したのは、水戸警察署と土浦警察署の二カ所です。井手よしひろ県議は、この内、水戸署での出発式に立ち会い、その後実際の取り締まりの模様を視察しました。
駐車監視員は、活動する場所や時間を定めた警察のガイドラインに沿って行動し、全国統一の薄緑の制服を着用しています。民間人からの登用とはいえ、「みなし公務員」という資格となり、職務を妨害すれば公務執行妨害罪に問われます。
駐車違反の取り締まり方法も厳格化されました。従来は違法駐車した車両のタイヤにチョークを付けて一定時間後に駐車違反のステッカーを取り付けていましたが、1日からは駐車時間の長短にかかわらず取り締まりの対象となります。
また、駐車違反金は、駐車違反したドライバーが出頭しない場合、車検証上の使用者に納付が命じられます。納めないと車検が受けられなくなるほか、駐車違反金の納付を繰り返し命じられると、一定期間、車両の使用が禁止されたりします。
初日の駐車違反の一斉取り締まりは、午前10時前から始まり、2名一組になった駐車監視員は、水戸駅周辺や大工町方面の取り締まりにあたりました。
井手県議らが同行した監視員は、徒歩で水戸署から銀杏坂、宮町、水戸駅周辺の監視にあたりました。平日の午前中とあって、目立つ違反車両はありませんでしたが、水戸駅の周辺の舗道上に軽自動車が駐車しているのを発見。決められた手順に従い、駐車違反車両に対し放置車両確認標章を作成し、取り付けを行いました。初めての取り締まりということもあり、15分程度の時間をかけ慎重に作業は進められました。
視察を行った90分の中では、他の違反車両の取り締まりは行われませんでしたが、車を一時停車し納品業務を行う酒屋さんなどからは、「厳格に取り締まられると5分では納品し、車に戻ってこられない。このままでは商売にならない」との、怒りの声が寄せられていました。