高齢者を交通事故から守るために、茨城県内でも「高齢者用信号」の設置が進んでいます。
お年寄りは、運動能力が一般的に劣るために、歩行者用信号が青の内に、横断歩道を渡り切れないということが起こります。また、視力が衰えたお年寄りは、信号それ自体が見づらくなります。
そこで、押しボタンや携帯無線端末により、歩行者用信号の青の時間を延長できる信号や音によって青信号を伝える信号機が整備されています。茨城県内では、172基が整備されています。
視覚障害者用信号 | 329基 | 青信号時を音声(ピヨピヨ、カッコー)で歩行者に知らせる |
高齢者等感応信号 | 172基 | 専用の押しボタンを押したり、小型無線発信器を操作すると青時間がやく1.5倍に延長される |
歩行者感応信号 | 20基 | 横断歩道の両側に設置したセンサーで歩行者を検出し、青信号を延長する |
音響式歩行者誘導信号 | 35基 | 音声で歩行者に青信号を知らせる(ピンポーン、信号が青になりました) |
歩車分離信号 | 74基 | 歩行者と車両の進行時間を完全に分離する |
総合計 | 630基 | 信号機総数5537基 |
とくに、携帯用発信機による「音響式信号機」と「青延長用押ボタン付き信号機」は、遠隔操作が可能です。携帯用発信機は身体障害者福祉法に定められている「日常生活用具」に指定されており、各区市町から「歩行時間延長信号機用小型送信機」などの名称で給付等の措置が行われる場合もあります。
しかし、現状ではこの送信機は、茨城県内ではほとんど普及しておらず、信号機を整備しても、その機能がほとんで活用されていません。
信号の整備は警察、送信機の普及促進は高齢者福祉や障害者福祉の分野と、縦割り行政の弊害が顕著に現れた事例となっています。
参考:警視庁の「高齢者用信号」紹介ページ