06年12月20日内示された07年度一般会計予算の財務省原案で認められた茨城県内関係の予算を整理してみました。
●J-PARC整備費に268億円
日本原子力研究開発機構と高エネルギー加速器研究機構の2法人で整備を進めている東海村の大強度陽子加速器(J―PARC)の建設費に約268億円が盛り込まれました。07年度は施設整備を進めるほか、円形加速器のビーム試験にも着手し、08年の稼働に備えます。
●大洗の材料試験炉(JMTR)の改修費:15億円
運転停止中の日本原子力研究開発機構大洗研究開発センター(大洗町)の材料試験炉(JMTR)の改修費として15億円が計上されました。JMTRは、原子炉で発生させた中性子を主に金属材料に照射して、耐久性の高い材料を研究開発する施設です。昭和43年から40年近く運用され、昨年8月に、老朽化のため運転を終了しました。しかし、業界からの需要が高く、存続が望まれていましたが、来年度予算で改修・存続されることになりました。
●百里飛行場民営化
09年度の民間共用化を目指している百里飛行場の整備費については、全体で約417億円が計上された空港整備事業費から配分される見込みで、茨城県は大幅な増額を求めています。
また、米軍再編に伴う航空自衛隊百里基地(小美玉市)などへの訓練移転関連では「再編交付金」として全体で約50億円が計上されました。今後、東京防衛施設局と協定を結んだ小美玉、鉾田、行方の3市など、全国で50前後の関係自治体に振り分けられ、騒音対策や地域振興に充てられます。
●神栖ヒ素汚染、鳥インフルエンザ対策など
神栖市の有機ヒ素化合物対策として、汚染源とみられるコンクリート塊の処理費や健康管理調査費などで7億6千万円。高病原性鳥インフルエンザ対策などの家畜伝染病予防費には全体で35億9千万円が盛り込まれました。