8月2日、井手よしひろ県議ら県議会土木委員会の一行は、福岡・長崎県視察の2日目として、博多港の現地調査を行いました。
博多港湾事務所を訪れた土木委員会一行は、担当者から①博多港の概要、②福岡県西方沖地震の被災状況と復旧状況、③博多港の耐震強化岸壁整備について、④スーパー中枢港湾に係わる門司港との連携について、の4項目について説明を受け、質疑応答を行いました。
博多港は、韓国、中国などの東アジアに近いという地理的特性を活かして、コンテナ貨物、自動車の積み出し、外国航路旅客など堅調な取扱量の拡大をみせています。国際海上コンテナの取扱量は、平成18年度で71万7000TEUに達し、18年5月には一度に8000TEUのコンテナを積み込める超大型コンテナ船が就航しました。国際コンテナの定期航路は、41航路・月間214便となっています。(北米・中南米・中近東:3航路・10便、東南アジア10航路・40便、中国19航路・84便、韓国9航路・80便)
韓国を中心とする外国航路船舶の乗降人員は、18年度75万人を超えました。釜山航路では、7隻の高速船(ジェットフォイル)が博多と釜山間を2時間55分で結んでいます。韓釜フェリーは毎日運行され、5時間30分で結んでいます。
また、18年1月からトヨタ自動車が中国向けにレクサスブランドの高級車の輸出を博多港から開始しました。初年度2万台の取り扱いでしたが、19年度は5万台上の取り扱いが見込まれています。
好調なアジア向け貿易に支えられて、博多港は施設整備追いつかない状況です。博多港の後背地にはブリジストンタイヤやホンダのバイク工場など絶対的な競争力のある荷主が存在しました。その荷主との力関係により、定期船が就航した背景ともなっています。また、圧倒的なハブ港としてのスケールメリットをもつ釜山港の連携も見逃せません。釜山から北米へ向かう航路は、日本海を通り津軽海峡を抜けて行きます。したがって、6時間で経由できる博多港は、ある程度の貨物量が確保できれば経由地として定期航路を開設することができます。国際物流の戦略上は、国境を超えた合従連衡が進んでいます。
参考:福岡市港湾局のHP