10月16日から3日間の予定で、小美玉市の航空自衛隊百里基地で、在日米軍再編に伴う航空機の日米共同訓練が行われています。
15日には、青森県の米軍三沢基地のF16戦闘機5機が百里基地に到着。整備などを担当する隊員とパイロットなど米軍約70人も、バス3台に分乗し陸路で、14日午後には百里入りしています。
訓練移転は新田原基地(宮崎県)に続き6回目ですが、百里基地では初めての共同訓練となります。米軍のF16戦闘機2~4機と、航空自衛隊のF15戦闘機2~4機が対戦する形式の訓練で、基地から60キロ離れた海上の南北200キロ、東西80キロの空域で午前と午後に1回ずつ行われます。
騒音拡大への地元の懸念に対し、北関東防衛局は基地周辺の5カ所で騒音を測定しています。自衛隊のF15は、通常1日3回訓練していることから、地元紙の報道によると「離着陸回数は減るので、結果的に騒音は少なくなる」と説明しています。
15日には基地正門前で、共産党や県平和委員会など約20の市民団体で構成する「米軍機くるな茨城実行委員会」の抗議デモがありました。
16日の午後、井手よしひろ県議が地元を現地調査した範囲では地元の反応は冷静で、一部航空ファンがカメラを構えている程度でした。
また、付近の住民に聴き取りをした結果でも、「米軍のF16は、自衛隊のF15と比べても騒音が少ないと感じた。曇りの天気にもかかわらず、いつもの自衛隊の訓練日より静かな感じがする」「米軍も緊張して訓練をしているのだろう。住民の立場に立った対応を今後も望みたい」「訓練よりそれを取材するマスコミや見物人に閉口する。畑に入ったり、ごみを残したりして困る。トランシーバーやラジオの音も耳障りだ」などと語っていました。
(写真は、百里飛行場の滑走路が望める道路で戦闘機の発着を見守る航空ファンら)
日米共同訓練始まる 百里基地、小美玉市長らが視察
読売新聞(2007/10/17)
航空自衛隊百里基地(小美玉市)で16日、米軍戦闘機訓練移転後初の日米共同訓練が始まり、模擬兵器を使った実戦訓練が行われた。
訓練は午前、午後1回ずつ行われた。午前9時20分ごろ、米軍のF16戦闘機2機が飛び立ち、そのすぐ後に百里基地のF15戦闘機2機が離陸した。計4機は鹿島灘沖で約10分間実戦訓練をして、午前10時15分ごろ基地に戻った。
この日は、地元小美玉市の島田穣一市長や地元住民で作る百里基地周辺地域整備協議会の藤田幹泰会長、騒音区域にあたる鉾田、行方、かすみがうら市、茨城町の関係者が同基地で訓練を視察した。
藤田会長は「F16の音を聞いた限りでは、騒音が大きくなったとは感じなかった。ただ、今後別の戦闘機が訓練にきたり、期間が長期化することも考えられる。騒音、治安対策を手を抜かずにやってほしい」と言葉を強めた。島田市長は「今までの騒音とどう違うか測定結果を見て国と協議したい」と話した。
騒音区域の4市1町の5か所では16日、防衛省北関東防衛局による騒音測定調査が始まった。基地から北に約1キロ離れた小美玉市上合の測定ポイントでは、離陸時の騒音レベルが測定され、F16、F15共に95~100デシベルを記録した。調査は18日まで行われるが、17日のみ自治体からの要望があったとして、測定ポイントを7か所増やす。
百里基地に米軍F16 再編後初の共同訓練 きょうから3日間模擬戦闘
東京新聞(2007/10/16)
在日米軍再編に伴う訓練移転問題で、日米共同訓練に参加する米軍三沢基地(青森県)第三五戦闘航空団所属のF16戦闘機五機が十五日、航空自衛隊百里基地(小美玉市)入りした。同基地で移転に伴う訓練実施は初めて。実際の共同戦闘訓練は、同基地第七航空団所属のF15戦闘機四機とともに十六日から十八日まで三日間の日程で行う。基地正門には訓練中止を求める市民らが反対デモを行ったが大きな混乱はなかった。
三沢基地を午前十時前に飛び立ったF16戦闘機五機は午前十一時十五分ごろ、編隊を組み百里基地上空に姿を現した。上空を一周旋回した後、順番に着陸した。
一方、整備などを担当する隊員とパイロットなど他の米軍約七十人は、バス三台に分乗し陸路で十四日午後六時半すぎに百里入り。先遣隊約十人と合流した。
訓練は十六日から三日間、午前と午後の二回行われる予定。米軍、自衛隊の各四機が、それぞれ二機を一組とし、敵と味方に分かれ模擬戦闘訓練を行う。一回の訓練時間は約十五分。
百里基地での訓練は通常一日三回で、普段より訓練回数は少なくなるという。訓練空域は百里基地から約八十キロ離れた鹿島灘沖の東西八十キロ、南北二百キロのエリア。早朝と夜間の離着陸や、タッチアンドゴーと呼ばれる騒音が大きい訓練などは予定にない。
防衛省北関東防衛局が十三日に設置した現地対策本部では、飛行機の機種、離着陸時、飛行経路、それぞれのピーク騒音レベル等を調査。十六日から小美玉市上合、鉾田市青柳、茨城町城之内、行方市羽生、かすみがうら市柏崎の五カ所で騒音測定調査を行う。
米兵は基地からの外出が自由のため、同本部は米兵が立ち寄りそうな基地近隣の店を巡回し、トラブルの未然防止に努める。
訓練終了後、米軍機と米軍は十九日に百里を離れ三沢基地に戻る。