11月1日、「第23回国民文化祭」が茨城県内各地を会場に開会しました。今回の国民文化祭は「常世(とこよ)の国 筑波嶺(つくばね)翔(か)ける文化のいぶき」をテーマに、11月1日~9日までの9日間,県内34市町村で64のイベント・フェスティバルが行われます。特に、全国初の試みとして「広域文化交流事業」が開催されます。茨城県には、地理的、歴史的背景によって培われた様々な特色ある文化が一定の広がりを持って存在しています。この文化の広がりを活かした広域文化交流事業として、12のフェスティバルが開催されます。
1日午後から水戸市の県民文化センターでは、皇太子さまのご臨席をたまわり総合開会式(オープニングフェスティバル)が行われました。席上、皇太子さまは、「国民文化祭は地域の特色をいかしながら、優れた伝統文化を継承し、新しい文化を創造、発展させる祭典として、大きな役割を担っていると思います」とあいさつされました。
オープニングフェスティバルでは、西塩子の回り舞台、茨城県自然博物館の三会場をライブ中継で結び、一体的なステージが展開されました。茨城出身の池辺晋一郎さん、本條秀太郎さん、寺内タケシさんなど多くの茨城県民が共演し、創作舞踊、合唱、和太鼓、ダンス、群読などを織り交ぜた県民手作りのにぎやかなオープニングとなりました。
また、日立市の新都市広場では、G・ヴェルディ作曲『アイーダ』を全幕原語イタリア語(日本語字幕付)により、野外で上演しました。『アイーダ』といえば、何と言っても「凱旋行進曲」。ラダメスが勝利してエジプトに凱旋する壮大なシーン。が、市民参加の壮大な演出で再現されました。野外オペラの醍醐味が満喫できたイベントとなりました。
参考:第23回国民文化祭いばらき2008のホームページ
国民文化祭が開幕 常世の風全国に
茨城新聞(2008/11/2)
国内最大の文化・芸術の祭典「第二十三回国民文化祭・いばらき2008」が一日、開幕した。開会式は皇太子さまご出席のもと、県民文化センター(水戸市)をメーン会場に開催。サテライト会場の県自然博物館(坂東市)、西塩子の回り舞台(常陸大宮市)と三元中継し、本県ゆかりの人たちが華やかなステージを繰り広げた。参加者は本県に根差した「文化の種」を「文化の大樹」に育てると宣言。霞ケ浦に浮かぶ七色帆引き船が映像で紹介されるなど、大会で展開される事業の一部も披露された。
大会は「常世の国 筑波嶺 翔ける 文化のいぶき」をテーマに、三十四市町村で音楽や舞踊、伝統文化、美術など計六十四事業を展開する。計百万人の来場者を見込む。会期は九日まで。
開会式の式典はメーン会場の県民文化センターで、野口雨情作詞の「七つの子」や吉田正作曲の「いつでも夢を」など、本県ゆかりの「いばらき名曲メドレー」で幕開け。筑西市出身のソプラノ歌手中丸三千繪さんが国歌を独唱した。
大会について、皇太子さまは「交流の輪が広がるとともに地域の文化が再認識され、大きな成功を収めることをお祈りする」とお言葉を述べた。
国文祭県実行委員会会長の橋本昌知事は「本県の伝統文化や新しい文化を全国に発信し、先人にスポットを当て、茨城の姿を紹介していく」とあいさつした。
「いばらき・こころの旅」と題したステージでは、四章構成で茨城の豊かな自然、人、未来を音楽や踊りで表現。常総市出身の女優羽田美智子さんが司会を務め、県民を中心に計約千人が出演した。
水戸市出身で大会の総合プロデューサー池辺晋一郎さんは、今大会のために作曲した「海よ、母よ」(作詞・新川和江さん=結城市出身)のオーケストラ演奏を指揮。中・高の女子生徒百八十人が「すべての命のふるさと」と茨城の自然を歌い上げた。
土浦市出身のギタリスト寺内タケシさん、潮来市出身の三味線奏者本條秀太郎さんら本県出身のアーティストも県民と共演。池辺さんは「輝ける未来をみんなでつくろう」と呼び掛け、寺内さんは「世界中で一番いい所が茨城」と会場を沸かせた。