「党首討論の2日前にいきなり辞めるということになったので、正直驚いた。何の理由で辞めるのか、よく分からない」と、5月11日の小沢一郎民主党代表の辞任表明について麻生太郎首相が述べたこのことばは、国民の思いそのものでしょう。
小沢代表の第1秘書が政治資金規正法違反で逮捕されてから70日、この間ずっと小沢代表の「政治とカネ」の問題は国民の関心事項でした。小沢代表は、既に説明責任を果たしたと強弁して来ましたが、多くの国民はそうは考えていませんでした。民主党内からでさえも説明責任を求める声が絶えなかったし、代表辞任を求める声さえ上がっていました。
そうした中での辞任表明。しかし、小沢氏の辞任の理由説明は、「党内が乱れていたのでは、総選挙に勝てない」「自ら身を引くことで、団結を強め、挙党一致をより強固なものにしたいと判断した」ということでした。
党内が乱れた原因である自身の「政治とカネ」のことは一切論じず、総選挙に勝つことであらゆる問題が全てクリアされるかのような言葉には、呆れて物が言えません。国民に対して真摯に語ろうという姿勢は全く見られません。
小沢氏は、「なぜ、西松建設から過去十数年の長きにわたって総額約3億円もの巨額献金を受け取らなければならなかったのか」との、国民の疑問には何ら答えていません。
「建設会社から長年、巨額の政治献金を受け取る行為は、古い自民党的な金権体質そのものだ」(読売新聞12日付「社説」)、「公共事業をめぐる政官業の癒着を厳しく指弾し、『国のかたち』を抜本的に変えると主張してきた民主党なのに、その基本姿勢と矛盾する」(朝日新聞12日付「社説」)と批判されていることに対し、小沢氏は正面から国民に説明する責任があります。
辞任表明で「政治資金の問題についても一点のやましいことはない」と発言することで、すまされるような問題ではありません。
党首討論を前に、「敵前逃亡」と批判されても仕方がありません。
違法献金事件で問われる民主の自浄能力
さらに驚くべきは、小沢氏のこうした発言を認めて代表続投を容認し、独自調査など自浄能力も示せなかった民主党執行部の責任の取り方です。小沢氏を一心同体でかばい続け、秘書の捜査を「国策捜査」と叫び続けた鳩山由紀夫幹事長。その責任を全く取ろうとせず、代表選に立候補の意向を固めているとのニュースが伝えられています。国民軽視の民主党のあり方には、大きな疑問を感じます。
Grickoさん、コメント感謝いたします。
そもそも政治資金規正法の基本的な考え方は、「政治家の資金の流れを管理する」ことではなく、「政治家の資金の流れを明らかにする」ことです。
誰が、どこから、いくらの資金を調達し、それをどのように使ったかを明確にすることです。
まだまだ、資金の流れが分かりづらく、今回の小沢氏の問題のように「偽装献金」がはびこっています。
まず、こうした課題をしっかりと国会で議論してもらいたいと思っています。
確かに井手先生と同じように思いました。
何も説明をせず、辞任と同時に、真相を闇の中にするのはいかがなもんかなとは、強く思いますね。
ただ、1つだけ。
政治とカネの問題なのですが、
我々一般市民にとっては、
極めて「どうでもいい問題」だと私は思います。
実際、私は報道を観ていて「なんで自分に全く関係のないことばかり」と思っておりました。
必要以上に騒ぎすぎるマスコミもマスコミで、他にも取りあげるべき「我々の生活に密着したトピック」がたくさんある筈です。
また、今回は「やった・やらなかった」がメインの争点で、
「なぜ金が必要なのか」や
「どのようにすれば合法的に必要なお金を採取しつつ政治活動できるようにできるのか」まで、
議論が完全に発展できなかったのも悔やまれます。
これは国民の向きあい方にも問題があるのだと思いますが。。。