3月8日付の米ワシントン・ポスト紙はその社説で、民主党国際局長の藤田幸久参議院議員(茨城県選出)が、9・11同時多発テロの陰謀説を示唆する発言をしたとして、「奇怪だ」などと藤田議員を酷評しました。
鳩山首相が「藤田氏のような向こう見ずで、事実をねじ曲げるような人物」を容認するのか否かで、今後の日米関係にも悪影響が出かねないと警告しました。
また、ワシントンポストは、「過激派の影響を受けやすい人間が、世界第2位の経済大国の統治機構で重要な地位を占めてしまっている」とまで言及し、「藤田氏や民主党政権の行動は、その言葉に疑義を抱かせる」と、鳩山政権への不信感を露わにしています。
(以上、記事の翻訳文は共同通信の記事より引用しました)
この記事に対して、藤田議員は3月9日付で自らのホームページに反論を掲載しました。それによると、3月3日、米ワシントン・ポスト紙のリー・ホックスタッダー氏の“日本の移民受け入れに対する姿勢、態度の変化”というテーマで取材を受けた。ホックスタッダー氏は、1時間の取材を終えた後、雑談として藤田議員の略歴の中に「9.11」について委員会質問をしていることなどが紹介されている点を取り上げ、いずれの点を疑問に思っているかと尋ねた。それに対して、藤田議員は「9.11」にかかわりはじめた背景や不明なままになっている事件の諸点を指摘した。藤田議員は、「9.11」に関する雑談をしたが、9.11が陰謀だと結論したこともなければ、ツインタワービルが解体爆破などと断定したことはない、と反論しています。(詳しくは、「ワシントンポスト(3月8日付)の批判的な社説に対しての私のコメント」をご参照下さい)
しかし、こうした藤田議員の反論も、平成20年4月24日の参議院外交防衛委員会での質疑を具に読むと、ワシントンポストが指摘する内容が正しいのではないかと思えてきます。
この参議院の委員会質疑の中で、藤田議員は執拗に、9・11同時テロについて、アメリカ国内にも“陰謀説”を裏付ける報告や証言があることを紹介し、外務大臣、防衛大臣、外務副大臣に質問します。そして、「私は謀略とも自作自演とも言っておりませんが、両大臣からそういう表明があったということは、このハミルトン議員も含めまして、謀略、自作自演ということの潜在意識がおありなのかなという感想をもって、質問を終わらせていただきます」と、質問を結びます。まるで、誘導尋問のような姑息な質問です。
以下、藤田議員の国会質問が、どれほどエキセントリックなものだったか、長文になりますが、委員会での議事録を転載します。ワシントンポスト紙が問題視する理由をご理解いただけると思います。
○藤田幸久君 それで、資料の方お配りをしておりますけれども、一枚紙のFBIのホームページがございます。これを御覧いただきたいと思います。この一番多分最後の方なんでしょうか、FBIのビンラディンの顔が入っている資料がございます。これは昨日、ホームページから出したものであります。これはどういうものかというと、十名ほどFBIが最重要手配、言わばお尋ね者といいますか、というリストをFBIのホームページに書いているものでございます。ここにオサマ・ビンラディンと書いてありまして、これ、莫大な懸賞金が懸かっております。
その莫大な懸賞金が懸かっているオサマ・ビンラディンがなぜ言わば最重要手配者になっているかという理由が一番下の方に書いてございます。コーションというところですね。これを読んでみますと、要するに、オサマ・ビンラディンは、一九九八年七月のタンザニアのダルエスサラームとケニアのナイロビにおける米国大使館爆破事件のみが書かれているわけです。したがいまして、九・一一事件への言及がないんです。
それから、一昨年の六月五日ですけれども、なぜこのホームページに九・一一に関する言及がないかということについて問い合わせをした人がいるんですが、それに対して、FBIの調査広報責任者のレックス・トム、Tombという方ですけれども、一昨年の六月五日にFBIのホームページに掲載された最重要手配者の項目でなぜビンラディンに関して九・一一が言及されないかについては、答えとして、FBIがビンラディンと九・一一を結び付ける確固とした証拠を有していないためであると、ビンラディンは九・一一に関連して正式に嫌疑を受けていないというふうに発言しておりますが、この点について、これは高村大臣でしょうか、この事実を承知しておられますでしょうか。
○副大臣(木村仁君) FBIのホームページに掲載された最重要指名手配者としてのビンラーディンの容疑について、九・一一同時多発テロ事件への言及がないことは承知をいたしております。他方において、その理由等に関するFBI関係者の発言については承知をいたしておりません。
二〇〇二年二月六日、米国連邦捜査局、FBIは議会証言において、九・一一同時多発テロ事件をアルカイダ及びビンラーディンとリンクさせる証拠は明確であり、反証不可能である旨述べたと承知しております。
我が国としては、各情報を総合的に判断して、九・一一同時多発テロ事件はアルカイダにより実行されたものと判断しております。
○藤田幸久君 今、木村副大臣はちょっと私の次の質問まで答えたんでしょうかね。
ちょっとそれを参考までに申し上げますと、つまりホームページだけではなくて、二〇〇三年の四月十九日に、当時のFBIのロバート・ミューラー長官はサンフランシスコにおける演説でこういうふうに発言をしております。十九人のハイジャック犯に関し、我々の調査では、米国内はもとよりアフガニスタンやほかの国で発見された貴重な資料の収集品を当たっても、九・一一と結び付ける一片の証拠も見出せなかったというふうに演説をしているわけですが、これも御承知ないという答えでしょうか。簡単にお答えください。
○副大臣(木村仁君) FBIのホームページに掲載された最重要指名手配者としてのビンラーディンの容疑について、九・一一同時多発テロ事件への言及がないことは承知をいたしております。他方において、その理由等に関するFBI関係者の発言については承知をいたしておりません。
二〇〇二年二月六日、米国連邦捜査局、FBIは議会証言において、九・一一同時多発テロ事件をアルカイダ及びビンラーディンとリンクさせる証拠は明確であり、反証不可能である旨述べたと承知しております。
我が国としては、各情報を総合的に判断して、九・一一同時多発テロ事件はアルカイダにより実行されたものと判断しております。
○藤田幸久君 それで、実は今、木村副大臣の方でアメリカの議会等において証言があったということでございますけれども、その証言等を踏まえて作成されたのがこの九・一一コミッションレポートというものでございます。これが二〇〇四年七月に書かれたわけでございますけれども、この中身に関していろいろな実は情報が十分出てきていないということについて、これにかかわった方々が最近いろいろおっしゃっているわけでございます。
それで、その一つは、これも質問通告をしておりますが、私が実は一月にお配りした資料の中で、済みません、委員長、資料の説明をさせていただきますと、一番たくさんページ数があります、別紙で各種世論調査というのが一枚目に出ております数ページの資料と、それから「九・一一に疑問を呈する発言」という数ページの資料がございます。
その「九・一一に疑問を呈する発言」という数ページの資料の中の、数字で言いますと三ページの一番上にアルファベットでIと左側に手書きで書いておりますけれども、実はこのマックス・クリーランド元上院議員という方の発言が出ております。実はこのマックス・クリーランド元上院議員という方は、この九・一一コミッションレポート独立調査委員会の委員であったわけです。ところが、この方は途中でこの委員を自分から辞任をしているんです。
その理由は、この真ん中辺にマックス・クリーランド元上院議員の引用として出ていますけれども、もしこの決議、ホワイトハウスの文書へのアクセス制限が通ったならば、私は九・一一委員会としてアメリカ国民、特に被害者家族の目を見て、委員会にはアクセスの権限があったと言うことはできないと。つまり、アクセスの権限が情報に対して担保されているのにもかかわらず、この調査が今や抑圧されてしまったと。つまり、事務方の方から情報が、各種機関から情報が出てきていないと。情報がきちっと出ていないのにこれだけ権限を与えられたコミッションの委員会とすれば、調査がきちっとできないという理由でこのクリーランド元上院議員はこの委員から辞任をされているんです。
ところが、今年になって、両大臣、このコミッションレポートというのは二人の、委員長とそれから副委員長とおられまして、一人がトーマス・キーンという、これはニュージャージーの知事をされた方ですね、それからもう一人は、多分両大臣よく御存じかと思いますが、あの有名なリー・ハミルトン議員でございまして、アメリカの議会の外務委員長等を歴任された、日本でいえば北澤委員長のような立場をずっと長くされた方でございますけれども、大変著名なリー・ハミルトン、山本一太さんもよく御存じかと思いますが、このお二人が今年になって本を書いておられます。
これも質問通告をしているわけですが、この独立調査委員会、このレポートを書いた委員長と副委員長に当たるお二人が、つまりトーマス・キーン議長とリー・ハミルトン副議長の二人が今年二月にこんな本を書いているんです。前代未聞、アンプレシデンテッドという、山本さん、前代未聞というような意味だろうと思いますが、それで独立調査委員会の内幕という内容の本を出版しています。このお二人は、いかにその九・一一委員会でCIAやFAA、NORAD、つまり航空調査委員会等々が資料の提出を拒んでデータを隠していたかということをこの本に書いておられるわけです。
それから、一月二日付けのニューヨーク・タイムズで、このやっぱりお二人が、この報告書、つまりこの報告書です、この報告書にやはり不正確な点、あるいは未回答な点、誤った回答、疑問点が種々あるというふうに述べておられるんです。
この記事の中で、二人はCIAがこの調査を妨害したと批判をし、我々は、我が国が直面した最大の悲劇の一つを調査するために議会と大統領によってつくられた法的な力を持つこの機関、つまりこの委員会に対して、政府の高官たちが情報を与えないように決定していたことを承知していると、我々はこれを妨害行為であると受け止めているというふうに述べていらっしゃるわけです。今私が引用しましたのは、英文を私なりに翻訳をしたものですから必ずしも正確じゃありませんけれども、大体こういう内容でございます。
そうしますと、高村大臣、事は、一月にもお聞きをしましたが、日本人二十四名が殺害をされたことでございます。これは、テロというのは犯罪だという政府からの答弁もございました。それからもう一つは、今日の在日米軍基地の関係、あるいはテロ特措法との関係でいうと、九・一一が理由で、あの昨年の議論もございましたが、日本がテロとの戦いに行っているわけであります。そのテロとの戦いのある意味では根拠となる、一番権威を与えられたこのコミッションレポートを中心になってまとめられた元知事とそれから下院の外交委員会、上院ですか、委員長をされていたハミルトン議員が、実はそれだけ権威を持って与えられた独立委員会ですね、ところが各種機関からきちっとした情報が開示されていないということに対して、ここまでニューヨーク・タイムズでお語りになったり本まで書かれているということは、これは昨年来、テロ特措法との関係においても、それから今問題になっている思いやり予算に関しても、これは日本は当事者ですね、でありますから、これはやっぱり事実関係をしっかりただすべきではないかと思いますけれども、高村外務大臣、いかがでしょうか。
○副大臣(木村仁君) 御指摘の諸点は米国政府内部のやり取りに関する評論でありまして、我が国政府として意見を述べる立場にあるものではありませんが、いずれにせよ、九・一一独立調査委員会報告書は、米国大統領及び議会が米国内法に基づき設立、授権した独立調査委員会により行われた九・一一同時多発テロの事件の全容について調査結果をまとめたものでありまして、米国内における公的権限に基づいて作成されたものと承知しております。
我が国としては、同報告書は米国政府による事実究明及び再発防止に向けた努力の結果によるものと受け止めておりまして、その内容の基本的な事実関係につき新たに米国政府に照会する必要はないものと考えております。
○藤田幸久君 木村副大臣、新たに照会する必要はないということは、今まで照会したことがあるんでしょうか。どういう照会の内容を、どういう報告を受け取っているんでしょうか。
○副大臣(木村仁君) 報告書によって事実と認め、それ以上の……。
全然照会をしなかったということではございませんで、報告書を入手し十分精査いたしますとともに、それに関連して必要な事項についてはいろんな方面からいろんな情報を得ていることは事実でございます。
○藤田幸久君 全く答えになっていないと思いますけれども、ちょっとこれではまっちゃうと時間がなくなるので先に行きますけれども。
今日幾つかお配りした中で、先ほども数ページの、疑問を呈する発言というものをお配りをさせていただきました。それで、発言の中の三ページにロン・ポール下院議員という方が出ています。ロン・ポール下院議員というのは共和党の大統領候補と書いてありますが、初期の段階で大統領に手を挙げていた方でございます。この方が、高村大臣、テキサス州選出の現職の共和党の下院議員でございます。
この方が、これまでの各種調査は多かれ少なかれ隠ぺいであり、実際に何が起こったかについての真の説明がされていないと。それで、もっと下の方に行きまして、第三のビル、つまり第七タワー、飛行機が突っ込んでいないのにすとんと落ちてしまった、一月に質問をいたし紹介しましたけれども。それで、当日だれもが飛行機への搭乗を許されなかったのに対し、なぜビンラディンを含む多くのサウジアラビア人は帰国できたのか、つまりアメリカにいたサウジアラビア人のビンラディンの関係者が帰国をしているんですね、飛行機を政府側の方で調達をして。それで、十九人のうち十五人がサウジアラビアからという理由で、彼らはイラク戦争の口実に使ったのだと、これ現職の共和党の下院議員がここまでおっしゃっておられます。それに加えて、この委員でいたクリーランド議員という方が辞めて、そして主宰をしていた二人の方がここまでおっしゃっておられると。
ここまでのこのロン・ポール議員等のコメントについて御存じかということと、これについてどうお考えかということを質問通告してございますけれども、高村大臣、どう受け止められますか。
○国務大臣(高村正彦君) このことについて事前には知っておりませんでした。どう考えるかと言われましても、まあ一人の議員の方がこういうことを言っておられるということを認識するということであります。
前々から藤田議員もいろいろ言っておりまして、私は藤田議員の人柄はよく知っていますから、自ら思ってもいないことをおっしゃる方ではないということはよく分かっておりますが、このロン・ポール議員については私は知りませんので、特にどう考えるということは特に、ああ、こういうことを言っている方もいるのかなと、こういうことでございます。
○藤田幸久君 それでは五ページ、この同じ資料に行きたいと思いますが、つまり、今回のこの事件について、私は政治的に国際政治の中でこれから新しい時代を迎えておると思いますのは、それぞれの国で政治関係の意思決定とか情報というのは限られている国が多い。今までもそれが理由で一般の市民が情報を共有できないことが多かった。しかし、今回明らかになったことは、世界中の市民が実は情報にアクセスすることができるようになった。しかも、九・一一に関して言えば、いろいろな専門的な知見を持っている方がそうした直接的な、つまり映像等が手に入りますから、情報を手に入れることによってかなり専門的な見解を示してきているということがあるわけであります。
そのたくさんある管制官だとかパイロットですとか軍の関係者とか、たくさんある中の幾つかがこの二人でございます。
この五ページの真ん中辺のアメリカ軍の元空軍大尉のウィテンバーグという方が、私自身、九・一一にかかわった一七五便と九三便の二機の飛行機を操縦したことがある。テロリスト又はテロリストと呼ばれた人々が172機、つまりセスナの訓練を、フロリダで訓練を受けていたということになっているわけですが、いきなりこの大きなボーイング757とか767の大きな飛行機の操縦席に座り、機体を垂直に操縦することが可能とは思えない。機体はまさに空から降ってきたような操縦ができたということになっている。私にはそのような操縦はできなかったと。
それからもう一人、これもやはりアメリカの陸軍大尉だった方ですけれども、その九・一一で墜落した四機のハイテクの高熱合金エンジンが火や衝突によって完全に破壊、燃焼、粉砕又は溶けてしまうことなどはあり得ないと保証できる。破損、つまり壊れることはあり得るけれども、破壊されて消えてしまうということはない。一体四機のエンジンはどこに行ってしまったのか。
これは一月にも御説明しましたけれども、四機飛行機が突っ込んだことになっているわけですけれども、そのフライトレコーダーだとかボイスレコーダーも出てきたものが少ないし、それから機体はジュラルミン、ステンレス等で弱いわけですけれども、エンジン部分というのは非常に強いと、なのに出てきていないと。これは専門家がこういうふうにおっしゃっているんですね。
今日は国交省の方来ておりませんけれども、私も、国交省の方来ていますかね、聞いていますけれども、やはり普通の事故においては、日本においても航空調査委員会があるわけですけれども、エンジンが消えてしまったような事故に遭遇したことはない、それから機体番号等が、部品番号等が確認されなかった事故はないというようなこともおっしゃっているんです。
こういうつまり専門的な方が物証的にもおかしいと言っていることは、これだけいろんな疑問が出てきているということは、原点がここからあってアフガニスタン戦争といっているわけですから、これやっぱり私は検証すべきじゃないかと思いますが、こういうコメントに対する評価と、これを政治的にやはり取り上げる必要があると思いますけれども、これは機体に関係することでもございますので、石破防衛大臣にお聞きしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 機体に関係することではございますが、私は答弁する立場にはございません。
私も、済みません、不勉強でこういうことを一つ一つ存じておるわけではございません。ただ、エンジンが全部跡形もなくなくなっちゃったとか、そういうことがあるかどうか、一般論としてはないのだろう。ただ、その飛行機が突っ込んで、あのビル全体がもう、あれだけ高いビルですから、あれが崩れて、その衝撃たるや、ただ事ではないのであって、普通の航空機事故とは全く違うような力が働いたのだと、こう素人なりに思うところでございます。
私の立場でお答えすることではございませんが、私も、これをよく読んで、実際にどうすればこういうことが起こるのかと、本当になくなっちゃったということはどういう場合に起こり得るのかということは、個人的にはそれは非常に関心のあるところではございます。
○藤田幸久君 先ほどの、つまりこの報告書を書いた方々からの、こういった実は情報が十分でなかったということの関連に戻りたいと思いますが、今まで私も委員会で質問をしたり質問主意書等でやり取りをしてきましたけれども、それから一部、一月に外務省からいただいた資料、つまり日本人の方が九・一一で二十四名お亡くなりになっております。そういう方々の御遺体の確認方法等について資料を出していただいております。この一枚紙でございます。委員長、済みません。
亡くなった邦人の氏名、年齢、勤務先、遺体発見場所という一番上に書いてある一枚紙でございます。これは一月に出していただいたものでございますけれども、真ん中辺で、四、遺体の確認方法というところで、邦人犠牲者二十四名のうち、御遺体が確認されているのは十三名で、残る十一名については米国の裁判所により死亡宣告がなされていますと。つまり、確認されていないんですね。だから、裁判所の宣告があったというだけで死亡をされたというふうに日本政府は受け取っておられるわけですけれども、一月にお聞きしたときも、DNAをしたのかどうかということについても資料がありませんという答弁だったんです。
それで、実は最近になっていろんな事実が明らかになってきておりますし、ドイツ銀行という建物の上でかなり多数の御遺体が、おととしですか、見付かったりとか。それと、アメリカにおいては、この航空事故調査委員会というものが遺族に対してその経緯等々について説明をしなければいけないという法律があるんです。
日本人に関しても、私は当然、アメリカにおいてこういう事故に遭っているわけですから、私は質問主意書に書きましたらば、そういったことは存じていないという答弁でございましたけれども、アメリカ国内において、アメリカの遺族に対しては航空事故調査委員会が報告をするという義務がある以上、日本政府として当然要求をして、この日本の遺族の方々にとってやはり満足のいくような、そういう対応をすべきであるし、とにかく、いろんな事実がむしろ最近になって出てきているということがあるわけですから、そうした御配慮をしていくべきであると思いますけれども、高村大臣、いかがでございますでしょうか。
○副大臣(木村仁君) 死亡宣告をされておりまして死体が発見できない遺族等につきましては、政府としてもいろんな形で最大の支援を行っておりますけれども、結論的に言えますことは、その過程で御遺体を確認してほしいという要望が遺族から出たことは承知しておりません。それから、米国国家運輸安全委員会からの事故の原因について説明を受けたいという御遺族の意向もございません。
この事件が、米国国家運輸安全委員会がその原因等について遺族に対して説明を行うべき事項に含まれるか否かは必ずしも明確ではありませんが、いずれにせよ、御遺族がそのような希望を持っておられないということを踏まえて対応をしてまいりたいと考えております。
○委員長(北澤俊美君) 私の方から外務省に申し上げますが、質問者は質問通告で答弁者を指定しているわけです。だから、それが仮に外務省の立場として副大臣とかあるいは局長に答弁させるということであるならば、事前に質問者に了解を得るということか、あるいはこの場で答弁要求者が詳細については担当者に答弁をさせるというきちんとしたけじめを付けるべきであって、質問者の意向を勝手に変えて答弁者を決めるというのは、この委員会としては極めて遺憾でございますので、外務省としてきちんとした手続を踏むように私から要求しておきます。
○藤田幸久君 その点については、私は参考人については、私が認めたときのみ参考人等の答弁を認めますということを事前に申し上げていたわけでございますから、その意味で、私は先ほど来外務大臣と申し上げておりますので、その限りにおいて外務大臣にお答えをいただきたいと思います。
それで、今副大臣の方から、御遺族から希望があればという話でしたけれども、私はそんな問題じゃないと思うんですね。そもそもアメリカにおいては、こういう事故調査委員会があって、アメリカの家族であれば、それを報告する義務があるということを伝えるぐらいのことは当然日本政府としてすべきじゃないんですか。そういうものがあれば、当然のことながら知ってみたいという、いわゆる九・一一直後はみんな動転していましたから、もうとにかくそんな中で聞くことすらはばかるみたいな雰囲気があったかもしれないけれども、ところが、どんどんどんどんいろんな情報が出てきて、こういったアメリカ政府のこの独立委員会ですらかかわった人がそこまでおっしゃっているわけですから、それに対して、しかもこれが理由でもってアフガニスタン戦争、イラク戦争等に日本もかかわっておるわけですから、これはやっぱりそういう形の、何か人ごとのような対応では私は困るというふうに思っております。
それで、私はたまたま、このコミッションレポートというのは、そういう議会とそれから大統領府の方から権限が与えられてできた報告である、そしてこの存在というものが一番権威のある存在であるということは日本政府も認めておられる。そして、北澤委員長、この実はまとめられた、アメリカのこの外交委員会の委員長もされた方自身が十分な情報がなかったということを認めておられるということにかんがみて、たまたまこの外交防衛委員会は、昨年末以来、山田洋行の関係で、アメリカのメーカーに対する直接的な事実を解明をする文書を委員長名で出したりしておりますけれども、やはりこちらの外交防衛委員長として、議会も関係しておりますこのレポートを直接まとめられた方がそこまでおっしゃっているわけですから、日本の二十四名の犠牲もあったことでございますので、外交防衛委員長の名前で、いわゆるクレディビリティーについて、どういう真意でこのキーン委員長、それからハミルトン副委員長がそういうことをおっしゃっておられるのかについて是非照会をする問い合わせをしていただくように、委員長及び理事会の方々にお願いをしたいと思います。
○委員長(北澤俊美君) ただいまの藤田議員の要求につきましては、後刻理事会で協議をいたします。
○国務大臣(高村正彦君) この文書はアメリカの公的文書でありまして、確かに、委員から教えられるところによりますと、個々的にはいろいろ問題にしている方が多いわけでありますが、やはりアメリカの中で、上下院とも野党が過半数を持っている中で、そういう中で特別のこれを全体的に否定するような動きがあるというようなことも私はまだ聞いていないわけでありますし、それに対して委員個人がいろいろ疑問を持って、そしてそれに対して問題を提起するというのは、それは意義のあることだと、こういうふうに思いますが、日本政府として果たして直ちにそれに対して調査に入るべき事案かどうかというと、私はそういうことでもないと。やはり国連においても九・一一というのは、まさにそういういわゆる謀略によって何かアメリカが自作自演でやったというふうには全くとらえられていないわけでありますし、そういう中で日本政府が今、ほかでもない委員の御指摘でありますけれども、直ちにこれを疑問を持って調査に入る、そういう事態ではないと、こういうふうに思っております。
○国務大臣(石破茂君) 外務大臣と同じであります。
ただ、だれが何を言っているかというのはよく読んでみなければいけないなと私は改めて思っているのですが、例えば委員がお触れになりましたロバート・ミューラー氏が言っている、それは証拠が見付からなかったと言っているのか、証拠を全く残さないように巧妙、周到にやったのだと読むか、それはまたいろんな読み方があるんだろうと思っております。
それから、合衆国においていろんな人がいろんなことを言っている。それは、私は、日本政府としては今外務大臣がおっしゃったとおりであります。私自身そういうものをまた時間があればよくきちんと検証してみたいなと思いますし、また私は、むしろそれをやることによってだれが何を得るのだということ、真珠湾においてもよく謀略論というのがございますが、それをやることによってだれが何を得るのかということもよく理解をして検証してみなきゃいかぬだろうと思っております。
いずれにしても、歴史の変わり目というのは委員御指摘のとおりであって、なぜこのようなことが起こるのか、冷戦が終わった後のテロの時代とは何なのか。先般も犬塚議員と議論したのかなと思いますが、新しい世界の秩序というのはどうつくるべきなのかというような視点からもいろんな議論、検証は必要だというふうには思っております。
○藤田幸久君 時間がまいりましたので終わりますが、私は謀略とも自作自演とも言っておりませんが、両大臣からそういう表明があったということは、このハミルトン議員も含めまして、謀略、自作自演ということの潜在意識がおありなのかなという感想をもって、質問を終わらせていただきます。