3月7日、茨城県議会の田山東湖議長は、国土交通省を訪れ、日立を中心とする茨城5区選出の大畠章宏大臣に「圏央道の整備促進に関する意見書」を提出しました。
席上、田山議長は、「全通開通まで1320億円も残事業費があるのに、来年度事業費は最大でも国費の104億円にすぎない。これでは、完成まで10年以上かかってしまう」と指摘して、整備手法に有料道路事業を早期に導入するよう強く要望しました。
これに対して、大畠国交相は「選択と集中の観点からも圏央道の早期開通は重要。限られた予算だが、希望に出来るだけ応えられるようやっていきたい」と、地元の要望に理解を示しました。(議長、大臣の発言は茨城新聞3月7日付けの記事を参照しました)
そもそもこの県議会の意見書は、2月28日の県議会本会議に上程され、共産党を除く各会派の賛成で発議されました。
民主党は、高速道の無料化という荒唐無稽な政策をマニフェストに掲げ、新規の道路整備関しても“有料化”につながる有料道路事業による施工を、税金による直轄事業方式に変更してきました。しかし、整備効率が高く、一刻も早く完成が望まれる圏央道のような高速道路には建設財源が確保できず、その整備が大幅に遅れています。
意見書の採択に当たっては、民主党の県議会会派も全員賛成をしており、地方組織が結果的に民主党の主要なマニフェスト対して“ノー”の声を上げたことになります。
地元では、菅内閣にあっても現実主義、地方重視の姿勢を示す大畠国交相がどのような決断を行うか関心が高まっています。
(写真は大畠章宏国交大臣(左)に意見書を手渡す田山東湖議長)
圏央道は、首都圏における交通の円滑化や沿線地域の発展に不可欠な基幹インフラであり、既に沿線地域においては、日野自動車や雪印乳業など全線開通を見据えた企業の立地が進みつつあることから、1日も早い東北道~東関道水戸線間の開通が喫緊の課題である。
しかしながら、現在整備が進められている東北道~つくば中央IC間及び稲敷IC~東関道水戸線間については、これから開通までに約1,320億円にも及ぶ事業費が必要になることから、開通時期の大幅な遅れが懸念される。
よって、これまで以上に整備のスピードアップを図り、早期に開通させるためには、早急に有料道路事業を活用し、整備の促進を図る必要がある。
以上を踏まえ、国におかれては、以下の施策を講じられるよう、強く要望する。
- 「東北道~(仮)五霞IC間」及び「稲敷IC~東関道水戸線間」については、平成24年度開通目標を着実に達成するとともに、「(仮)五霞IC~つくば中央IC間」については、平成26年度以降とされた開通目標の前倒しを図ること。
- このため、直轄事業に必要な予算を確保するとともに、早急に有料道路事業の許可を行い、土地収用手続きへの着手と有料道路事業の活用により整備を促進させること。