現在、茨城港常陸那珂港区に隣接する東京電力常陸那珂火力発電所では、石炭と木質バイオマスを混ぜて燃やし発電する設備の整備が進められています。
常陸那珂火力発電所は、出力100万キロワットの石炭火力発電所です。平成25年12月を目途に、同規模の2号機を建設中です。
東京電力では、平成24年度中の運転開始を目指し、森林などから発生する林地残材や間伐材などをペレット状に加工し、石炭との混焼発電を行う設備(受け入れ、運搬、貯蔵施設)の建設を行っています。年間約7万トンの木質バイオマス燃料から約11万トンの二酸化炭素(CO2)の削減効果を見込んでいます。これは一般世帯約2万世帯が年間に排出するCO2排出量に相当し、地球温暖化対策に資すると期待されています。2号機についても1号機の実績を見極めた上で、導入する計画です。
木質バイオマス発電は、東南アジア、オーストラリアなど海外の林地残材や製材所、植物油工場などから発生する未利用の木質原料を圧縮した木質バイオマスペレットを、石炭に約3%混ぜて発電します。1号機だけで年間7万トンの需要が見込まれており、茨城県の林業関係者からは、県内の森林から発生する間伐材などを利用するよう、東電への積極的な働きかけが行われています。年間7万トンの木質ペレットは、木材生産量に換算すると約18万4000立方メートルに当たり、茨城県内の年間生産量約20万立方メートルにほぼ匹敵します。茨城県の林業活性化や森林環境の保全のために、常陸那珂火力発電所のバイオマス発電は大いに注目されています。