井手よしひろ県議は、1月6日までに県政策審議室より、国の平成24年度予算案に関する茨城県関係の予算について聴き取り調査を行いました。
平成24年度予算を震災復興関係と一般の予算に分けて考察してみると、震災関連では「東日本大震災復興特別会計(仮称)」を設置し、歳入・歳出とも一般会計とは別枠(特別会計)で確保しました。特別会計総額3兆7,754億円となりました。財源については、主に復興債、復興特別税及び一般会計からの繰入(子ども手当、高速無料化の見直し等)により対応しています。
また、一方で、先ほど企業誘致につきまして大変厳しい状況ということを申し上げましたが、一昨年上期の企業立地面積が86ヘクタール 茨城県関連の復興支援予算では、公共事業を別とすると、中小企業グループ補助金や原子力災害で著しく企業立地が減少した地域への立地支援策の創設などが注目されます。
当初、茨城県が交付対象になっていなかった中小企業等のグループ補助金ですが、公明党の石井啓一政調会長の衆議院予算員会での質問を契機に、2次・3次分として84億円が交付されました。24年度の国の予算の中でも、全国の総枠で500億円が措置されました。その1割前後は茨城県に来ると思われます。これを活用して、なお一層中小企業の再建を支援していくことが出来ます。
また、原子力災害で著しく企業立地が減少した地域への立地支援策が創設され、全国で140億円の予算が認められました。その大部分は茨城のために配分されると予想され、県内への企業誘致に大きな弾みとなります。
震災復興関連の国の予算の中で、茨城県にとって重要な項目は以下の通りです。
項目 | 予算化状況 |
○地方交付税の別枠措置 | 震災復興特別交付税 6,855億円(皆増) |
○企業誘致に対する取組への財政支援 | 原子力災害で著しく企業立地の魅力を減じた地域への立地支援策の創設:140億円 対象地域:除染特別地域の隣接県(茨城、栃木、宮城) |
○中小企業等グループ施設等復旧整備補助事業の補助枠拡大と配分への配慮、地域の実情を十分に配慮した案件の採択 | 中小企業組合等共同施設等災害復旧事業(中小企業等グループ施設等復旧整備補助事業) 予算額総額:500億円(※概算要求どおり) |
○学校耐震化の促進 ○非構造部材の補助対象事業費の下限額引下げ等 |
学校耐震化の促進予算案は1,246億円(対前年度155%) ※うち復興特別会計667億円 防災機能強化事業の創設により、非構造部材の補助対象事業費の下限額を引下げ(1,000万円→400万円) |
○緊急カウンセラー派遣事業の継続 | 緊急スクールカウンセラー等派遣事業:47億円(新規) ※平成23年度と同規模の実施を予定 |
○放射線量の測定や、健康影響調査など必要な措置の実施 | 航空機モニタリングの継続的実施:3億円 |
○諸外国に対する正確な情報の発信と誘客対策 | 訪日旅行促進事業(ビジット・ジャパン事業):49億円【継続】 (1)現地消費者向けPR事業、(2)現地旅行会社向けPR事業、(3)地方連携事業(国と地域との共同事業。広域連携による韓国、香港、台湾等からの誘客対策を実施) 東北・北関東インバウンド再生緊急対策事業:6億円【新規】 東北及び北関東の訪日需要の回復のため、海外主要市場における風評被害の払拭と当該地域の観光復興のPR等の緊急対策を実施。 |
○防災対策、原子力施設の種類ごとの災害想定等の見直し、UPZに係る具体的な防災対策等の提示 ○原子力災害に対応するための資機材の整備等の充実 |
PAZ、UPZ内における防護措置の判断基準や避難等の防護対策については、国の防災指針検討WGにて検討。年度末を目途に中間とりまとめ。 EPZ見直しによる区域の拡大に対応するため、今年度に比して3倍程度:89.7億円 |