雨宿りの場所やトイレ、工具など無料で提供:2012~14年度で120カ所設置へ
平坦で風光明媚、そして首都圏からほどよい近さ。茨城県には、多くのサイクリングコースがあります。茨城県は、さらに自転車愛好者の来県を促そうと、雨宿りをする場所やトイレ、自転車工具などを無料で提供する「自転車サポートステーション」の整備を進めています。
茨城県には、全国で2番目の広さの湖・霞ヶ浦を一周するサイクリングコース「西浦一周」や、桜川市と土浦市を結ぶ「つくばりんりんロード」――など、さまざまなサイクリングコースがあります。
首都圏の自転車愛好者にとっては日帰りできる圏内にあることから人気。そこで県は、より使い勝手の良い環境をつくることで自転車愛好者の来県者を増やそうと、茨城県議会公明党の提案などを受け自転車サポートステーションの整備に乗り出しました。
サポートステーションの役割は(1)雨宿りの場所提供(2)トイレの提供(3)自転車用の空気入れや工具の貸し出し――。また、サイクリングロードを楽しむ愛好者の自転車は、駐輪用スタンドが付いていない競技用自転車が多いため、サポートステーションには専用の駐輪ラックも設置されています(一部ステーションは未設置)。
サポートステーションは、サイクリングロードがある県南地域を中心に、2012年度から設置を始め、13年度末までに70カ所、14年度末には50カ所増の120カ所となる計画で整備されています。整備・運営は、県から委託された「NPO法人りんりんプロジェクト」が整備・運営に当たっています。
りんりんプロジェクトが、地域の観光交流施設やコンビニエンスストア、飲食店などに協力を依頼。承諾を得ると、サポートステーションを示すステッカーや自転車用の工具などを渡しています。また、14年度末までに全てのサポートステーションの設置場所を掲載した新しいサイクリングマップも作製し、県内市町村の観光情報施設などで配布していきます。
サポートステーションに協力する飲食店などにもメリットがあります。つくば市内で飲食店を営む飯島利幸さんは「これまで東京や埼玉、千葉の愛好者がサイクリングの行き帰りに店を訪れてくれた。気軽に立ち寄れるサロンのように使ってもらえれば」と語っています。
県地域計画課は今後、サイクリングロードへの道順を示す案内標識の整備とともに、クリ拾いや果物狩りといった地元の食資源と自転車をコラボレーションしたツアーの企画を充実させていきたいとしています。
「つくばりんりんロード」と「霞ヶ浦自転車道」を”一体化”!
茨城県議会公明党の八島功男県議(土浦市選出)、田村けい子県議(つくば市選出)は、茨城県内のサイクルスポーツ振興について積極的に発言しています。
特に、「つくばりんりんロード」と「霞ヶ浦周遊自転車道」を接続して、結節点に「サイクリングセンター」を作ろうという提案は、なんとしても実現させたいものです。
つくばりんりんロードは桜川市からつくば市を経て土浦市に伸び、全長は40.1km。筑波鉄道の廃線跡に設置され、2002年に全線開通しました。一方、霞ヶ浦自転車道は土浦市から潮来市へと至り、こちらも全長が40.1kmです。
2つの自転車道は現在、接続していませんが、JR土浦駅をはさんで隣接しています。どちらもコースが平坦なのが特徴。ふたつのコースを合わせれば、総延長は日本一のしまなみ海道とほぼ同じ約80kmとなります。
土浦駅東口方向に、サイクルセンターを設置し、サイクルスポーツの一大拠点に使用という提案です。