4月7日、茨城県立高校の平成27年度入学式が一斉に行われました。井手よしひろ県議は、63回目を迎えた県立多賀高校の入学式に出席し、来賓を代表して祝辞を述べました。このブログでは、挨拶の原稿をご紹介します。
県立多賀高校入学式での祝辞

新入生の皆さま、保護者の皆さま、ご入学、誠におめでとうございます。この晴れの門出に当たり、一言お祝いの言葉を申し上げます。
いま、日本は少子高齢化、人口減少社会に突入し、皆さんを取り巻く状況は大きく変わってきました。日本が抱える最大の課題は、2025年問題だといわれています。団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年に、日本の介護問題は最大の峠を迎えます。みなさんが25歳の時です。
そして、みなさんが40台となる、2040年には、日立市の人口は14万人余りに減少し、65歳以上のお年寄り1人を1.3人で支えなくてはならない時代となります。
その頃の学校の教科書には「昔、日立市には“渋滞”といわれる道路に車が溢れ、動かなくなってしまう状態が見られました」といった記述が載るかもしれません。
ものの価値観も大きく変わります。永らく富の源泉であった土地や建物・不動産は価値を失ってくると思います。今でも、日立市には7000戸以上の空き家が有りますが、2040年には数万戸に増加することが想定されます。
こうした激変の時代に生き抜く皆さんに一番大切なこと。それは、お一人おひとりの個性を磨き、私だけしかできないこと、貴方だけしかできないとを体得することです。
学校の成績というものさしでは評価できない実力を身につけることが大切です。
話は変わりますが、音楽プロデューサーの「つんく」さんの近畿大学の入学式での挨拶が感動を呼んでいます。つんくさんは、みなさんのご両親の世代には「シャ乱Q」のリードボーカルとして数々のヒットを飛ばし、2000年台には「モーニング娘」のプロデューサーとして一世を風靡しました。そのつんくさんが近畿大学の入学式で、喉のがんのために声帯を切除し、歌手としての生命線である声が出なくなったことを公表しました。
その上でつくんさんは、「私も声を失って歩き始めたばかりの1回生。皆さんと一緒です。こんな私だから出来る事。こんな私にしか出来ない事。そんな事を考えながら生きていこうと思います。皆さんもあなただから出来る事。あなたにしか出来ない事。それを追求すれば、学歴でもない、成績でもない、あなたの代わりは無理なんだという人生が待っていると思います」と、新入生に訴えました。
そして、つんくさんは、食道を震わせて声を出す、辛いリハビリに挑戦を始めたとニュースは伝えています。
声が出ない、歌が歌えないという障がいをも、プラスに捉えて、自分の個性として磨いていこうとするつんくさんの生き方を、皆さんにも、共有していただきたいと思います。
20世紀最大の歴史学者といわれているアーノルド・トインビーは、「挑戦と応戦」という法則を、私たちに教えてくれています。
「文明というものは、つぎつぎに間断なく襲いきたる挑戦に、応戦することによって誕生し、成長するものである」と、強調しています。
高校生活という新たな舞台に上がった多賀高校の新入生の皆さん!伝統ある多賀高校生という誇りと、常識のとらわれず、未来を開いていこうという気概をもって、有意義な学校生活を送っていただきたいと思います。
皆さんの新たな学園生活に栄光あれとお祈りし、お祝いの言葉といたします。
本日は本当におめでとうございました。