映画「HAZAN」は、茨城県が生んだ不世出の陶芸家・板谷波山の半生を描いた映画です。先日、県議会議員対象の映写会があり、じっくりと観賞させていただきました。(「下妻物語・半落ち・HAZAN」をご参照下さい)
映画評論家・佐藤忠夫氏のレビュー(HAZANホームページより)
波山が陶芸に志をたててから、ようやく世に認められはじめる頃<明治末期から大正時代>の、生活は貧しくしかし志は澄みきっている日々を描いているのだが、気負わず、気取らずただ一途に土とそれを焼く炎とに向き合う陶芸家と、殆んどなんのためらいも見せることなく健気にけんめいにこの夫を支える妻の姿とが、いっさいの夾雑物ぬきに単純に映像で浮き彫りにされていて、まことに愛すべきさわやかな映画となっている。
との評論通りの感動作に仕上がっています。是非とも多くの県民の皆さま、特に青少年に見てもらいたと思う映画です。
さて、「HAZAN」は、映画波山製作委員会が企画し、株式会社桜映画社が制作しました。茨城県が1000万円を助成したのを始め、映画製作協力券27000枚の販売など、県も積極的に製作や上映に対し支援しました。また、地元住民を中心に様々な支援組織が結成され、エキストラや撮影支援などに尽力しました。
平成15年7月に完成した「HAZAN」は、大手配給会社のルートには乗らなかったものの、様々な上映機会で平成16年末までに3万5000人以上の方々に観賞されました。収益的には、製作費や上映経費が1億9600万円程度であったのに対し、出資金や協賛金、県の助成金、上映等収入は2億4800万円となり、5000万円程度の利益が見込まれています。
こうした状況の中、今年3月末で映画波山製作委員会が解散し、映画の著作権等は制作会社の桜映画社に移行することが判明しました。
井手よしひろ県議は、2月28日、県商工労働部に対して、より多くの県民に「HAZAN」を観賞して貰えるように、県内の上映などに格別な配慮をいただけるよう映画波山製作委員会ならびに桜映画社と交渉するよう申しいれしました。具体的には、教育機関や地域団体(コミュニティ団体)、福祉団体などの上映について、格安な料金の設定を要望したものです。