橋本昌県知事は5月6日の定例記者会見で、定例の記者会見を月に2回に増やすこと明らかにしました。しかし、その条件として、県のインターネットで質問した記者の氏名と会社名を公表することを条件としました。
知事の情報発信力が弱いとの批判があることは事実。5月7日付の朝日新聞茨城版には、「月刊誌などに指摘された『情報発信力の弱い知事』の汚名返上も狙った苦肉の策だが、知事の本音はどうやら『新聞に(発言が)載らない』ことへの不満。会見を、説明責任よりも宣伝の場ととらえる知事の政治姿勢には『時代錯誤』との批判もある」との手厳しい記事が掲載されました。更に、同記事には上智大学・田島教授のコメントが添えられ、知事の姿勢に対して批判的な態度を鮮明にしました。
asahi.com:MYTOWN:茨城:2004/05/07
■「説明責任の観点欠落」田島泰彦・上智大教授■
定例知事会見が月1回というのは、説明責任を県民に果たすという観点から言えばあまりにも少ない。
会見の増加と記者名を関連させているが、根拠をむしろ聴いてみたい。会見は本質的には、県民に対する説明責任を負う権力者に対する、メディアの共同取材の場だ。記者がどんな人でどんな質問をするかは、知事と同じような意味で説明責任がある話ではない。自分たちがメディアを通じて責務を果たす責任がある、という観点がなく、基本が違う。
会見を増やさないことについて、記事に出ないことを理由にしているが、何を伝えるかは、メディアが県民の知る権利を念頭に主体的に判断するもの。「こういうふうに書け」というのは権力者の思い上がりだ。
私の意見を述べさせていただくと、橋本知事が記者会見の回数を増やすことは大賛成です。できれば、短時間でも1週間に一回程度行っても良いのではないでしょうか。
それと、県のホームページへの取材記者の氏名公開、会社名公開にも賛成です。田島先生は、「会見は本質的には、県民に対する説明責任を負う権力者に対する、メディアの共同取材の場だ」と指摘していますが、マスコミとは何なのかという基本を忘れているご意見です。「県政記者クラブに所属している大手マスコミだけが、権力者の見張り番である」という、これこそ一昔前の固定観念に縛られた考えです。
私は、インターネットの動画配信などで県民が直接、知事の会見をライブで見る時代がもう来ていると思います。その時代にあっては、質問をする記者も一県民として責任を持った発言をする必要があります。「○○新聞社の○○です」と質問することが大切です。県民は、マスコミ各社の主張がどのように違うのか、理解をすることによって、より知事の政治姿勢を理解することが出来ます。
是非、記者会見での質問者の氏名公表、会社名公表は実現させていただきたいと思います。